日本原燃
2012年1月30日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、今年最初の懇談会となります。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 はじめに、「ガラス固化設備における事前確認試験の状況」についてご説明させていただきます。ご案内のとおり、今月10日にガラス溶融炉の熱上げを開始し、24日からは模擬ビーズを炉内に入れ、ガラスを流下させておりますが、流下速度が徐々に遅くなったことから直棒による回復作業を行っているところであります。なお、製造したガラス固化体を取り扱う際の溶接機、ガラス固化体取り扱いクレーンなどの機器は問題なく作動することを確認しております。現在も回復作業を継続しておりますが、引き続き慎重の上にも慎重に進めてまいりたいと考えております。

 次に、「緊急安全対策の取り組み状況」についてご説明いたします。お手許の資料をご覧下さい。再処理工場の緊急時の電源となります電源車の配備につきましては、全交流電源喪失時の緊急安全対策でご説明したとおり、既に配備している1台に加え、同じ容量の電源車を昨年12月に1台、さらに本日もう1台を配備し、計画しておりました合計3台の電源車の配備が完了することになります。電源車1台の容量で、試験期間中における高レベル濃縮廃液貯槽等の崩壊熱の除去機能や、放射線分解により発生する水素の滞留防止機能を確保できますが、さらに予備として2台確保した訳であります。

 次に、全交流電源喪失時の訓練についてでありますが、厳冬期における積雪、凍結、あるいは寒さがどのように影響するかを確認するための訓練を、この2月に全当直を対象に5回に分けて実施することとしております。このうち、2月15日に行う訓練につきましては公開とし、皆さまにもご覧いただければと思います。訓練では、電源車からの電力供給や使用済燃料貯蔵プールへの注水訓練などを行う予定で、当日は、ヒューマンファクターなどの専門の方にもご覧いただき、ご意見を賜りたいと考えております。

 また、県内5事業者間の連携強化については、昨年12月に協力協定を締結し、その後、会合を2回開きました。そして、今後の活動計画や災害時の支援方法の具体化について検討を行ってきておりますが、15日の訓練につきましても4社の方にご覧いただきまして、意見交換する予定であります。

 最後に、年明けから原子燃料サイクルに関する議論が本格化しておりますので、改めて私の考えを申し上げたいと思います。
 今月26日に開催されました「新大綱策定会議」では、今後、政策を選択する際の評価軸の例が示され、その中に「政策変更に伴う課題」も明記されました。是非、この点についても、踏み込んだ議論をしていただきたいと思います。

 26日の会議の席上、三村知事からは、青森県がこれまで国の原子力政策に協力してきたことや、青森県において高レベル放射性廃棄物の最終処分を行わない旨を確約した経緯などについてご発言がありました。
 申し上げるまでもなく、私どもの事業は、地域の皆さまからのご理解とご信頼のもとに成り立っております。これは、一朝一夕に得られるものではなく、昭和59年に立地申し入れをさせていただいて以来、四半世紀以上にわたり築き上げられたものであり、そうした青森県民の皆さまのご理解によって、全国の原子力発電所からの使用済燃料の受け入れや、低レベル放射性廃棄物の受け入れ・処分、海外からの返還高レベル放射性廃棄物の一時的な貯蔵が可能となり、原子力発電による電力の安定供給がなされてきた訳で、そうした現実をしっかりと受け止めていただきたいと思います。
 そして、平成16年の大綱策定会議の際にも議論されたように、地元の信頼を大きく損なうことによって、「使用済燃料の受け入れ中止により原子力発電が運転中止となる可能性」「海外からの返還廃棄物の受け入れが滞って行き場を失う可能性」「発電所廃棄物の搬出先を失う可能性」などについても、改めて議論していただきたいと考えます。
 また、代替火力による発電など政策変更に伴うコストの負担増についても、是非、ご検討いただきたいと考えております。

 
以上

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