日本原燃
2011年1月28日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本年もよろしくお願いいたします。最初に、「再処理工場における現在の取り組み状況」につきまして、ご説明させていただきます。
 まず、高レベル廃液濃縮缶の温度計保護管内への廃液の漏えい事象につきましては、先週18日に復旧対策の設工認の認可を国からいただき、工場での設備製作に着手するとともに、現場においても設備を設置するための準備作業を開始いたしました。完成までには約2ヶ月かかる見通しですが、安全第一で慎重に工事を進めてまいります。
 次に、固化セル内における作業といたしましては、先週から、B系の溶融炉への温度計の設置工事を実施しているところです。既に溶融炉への据付作業自体は24日に終了しており、今後、国の使用前検査を受検する予定です。
 また、B系の温度計の設置工事の終了後は、固化セルパワーマニピュレータの点検を行います。これは、一昨年、長期間にわたって使い続けた結果、不具合を起こしたこれまでの作業経験を踏まえ、ある一定の使用時間ごとに定期的に点検を行うものです。その後は、A系の溶融炉への温度計設置工事などを行うこととしております。
 このように、今後、B系のガラス溶融炉の事前確認試験の開始に向けて、濃縮缶の復旧工事や温度計の設置工事など、安全を最優先にしっかりと作業を進めてまいりたいと考えています。

 次に、本日は今年最初の懇談会でもありますので、各事業の今年の展開につきましてご説明します。
 まず、「再処理事業」につきましては、昨年9月の工程変更時に掲げた二つのテーマである固化セル内の「設備点検」と、温度計の設置工事などの「設備改善」を終了させ、もう一つの大きなテーマである「事前確認試験」に取り組むこととなります。そういう意味では、今年は来年10月のしゅん工に向けた基盤をつくる極めて重要な年であると考えています。
 「濃縮事業」につきましても、いよいよ、今年9月に新型遠心機の運転が開始されることになります。昨年12月までには、この秋に導入する新型遠心機、約40tSWU/年の半数の製造が既に終了しておりますが、濃縮工場において遠心機設置のための準備工事が終了次第、2月にも据付作業に入ることとしています。新型遠心機の運転開始に向けて、一つひとつの作業を慎重かつ着実に進めてまいります。
 「MOX燃料事業」につきましては、雪の状況にもよりますが、3月に大型重機の組み立て作業を行い、4月から掘削工事を本格化させてまいります。秋には地下約25mにある岩盤までの掘削工事を終了させ、主要建屋である「燃料加工建屋」の建設工事に着手する予定です。また、4回に分けて行うこととしていた設工認の申請についても、準備が整い次第、2回目の申請を行い、2016年3月のしゅん工に向けて、災害ゼロで建設工事をしっかりと進めてまいります。
 最後に、「廃棄物管理事業」につきましては、海外からの返還ガラス固化体の貯蔵建屋の増設分が、来月末にはしゅん工する予定です。
 本年は、このように再処理事業を始め、各事業とも、基盤づくりのための大変に重要な年となります。したがいまして、何よりも安全を最優先に、各事業とも慎重に、一歩、二歩、三歩と着実に前に進めるべく、全力で取り組んでまいる所存です。

 
以上

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