日本原燃
2010年12月22日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 最初に、「再処理工場における現在の取り組み状況」につきまして、ご説明させていただきます。A系の炉内残留物の除去作業につきましては、先月29日から作業を開始しておりますが、これまでの経験、新しく開発した高効率の除去装置や、事前に行いました習熟訓練の成果などから、順調に作業が進んでおり、早ければ年内にも作業が終了する見込みであります。
 また、その後の作業といたしましては、年明け以降、ガラス溶融炉B系の温度計、これは、絶縁不良の不具合がありました温度計ですが、すでに修理も終わり、工場に搬入されておりますので、この温度計の設置工事を実施いたします。
 そして、固化セル内の作業といたしましては、A系の溶融炉への温度計を設置するとともに、パワーマニピュレータの点検なども順次行ってまいりたいと考えております。

 次に、ガラス溶融炉の運転方法の改善検討結果の報告書につきましては、皆さまご案内のとおり、今月10日に国から妥当であるとの評価をいただきましたので、13日に青森県ならびに六ヶ所村にもご報告をさせていただき、17日には県議会議員の皆さまにも、報告書の内容について改めてご説明させていただきました。
 皆さまからいただきましたご意見につきましては、しっかりと受け止め、今後の試験に際しましては、報告書に示した計画に基づき、安全を最優先に慎重かつ確実に取り組んでまいる所存であります。なお、県からご要請のありました県民の皆さまへの周知につきましては、今回、特に、明日の地元紙の紙面をお借りして、「再処理工場のしゅん工に向けた今後の取り組み」について、説明させていただくことにしております。

 次に、高レベル廃液濃縮缶の温度計保護管内への廃液の漏えい事象につきましては、原因と再発防止対策を取りまとめ、先月30日に国へ報告するとともに、復旧に関する設工認の申請も行いました。現在、国でご審議をいただいているところでございますが、認可をいただき次第、速やかに復旧工事を行いたいと考えております。

 最後に、今年一年を振り返らせていただきたいと思います。
 まず、再処理事業でございますが、9月にしゅん工時期を2年延期するなど、県民の皆さまにはご心配をおかけいたしましたが、現在は、固化セル内の作業もほぼ順調に進んでおりますし、「ガラス溶融炉の運転方法の改善検討結果」も国から妥当との評価をいただきましたので、しゅん工に向けての見通しをしっかりと得ることができたこの一年であったかと思っております。なお、再処理関係で、今年特に印象に残っておりますのは、落下したレンガの回収に成功した日のことであります。回収に時間はかかりましたが、新しい治具を開発し、粘り強く取り組んだ結果、自分たちの技術として確立することができたことは、多くの社員の自信にも繋がり、私といたしましても心から嬉しく感じた思い出に残る日でありました。
 次に、MOX事業に関しましては、事業主体となることを表明して以来、10年の歳月を経て、ようやくこの5月に念願の事業許可をいただき、10月28日に着工することができたことは大きな喜びであり、サイクルの確立に向けてさらに一歩を踏み出すことができました。
 また、濃縮事業につきましても、当社自らが新型遠心機の組み立てをこの4月から開始するなど、来年9月の新型遠心機の運転開始に向けて、着実な進展が見られた年でありました。
 さらには、埋設事業の受入れも順調に推移しておりますし、廃棄物管理事業につきましては、海外からの新たな返還廃棄物の受入れに関しまして、青森県ならびに六ヶ所村からご了解をいただき、国に対して事業変更許可申請を行うことができたことも大きな進展でありました。
 加えて、電力各社などのご協力により、4,000億円もの大規模な増資を実現することができたことは、財務基盤の強化という意味で、当社の事業にとりましては、大変に大きなことでありました。
 このように、今年は各事業が少しずつではありますが、着実に前進した一年であったと思います。来年は、こうした歩みを更に、一歩、二歩、三歩と大きく前進させていかねばなりません。再処理工場におきましては、ガラス溶融炉の事前確認試験をしっかりと行って、しゅん工に向けた基盤をつくる極めて大切な年になります。
 ウラン濃縮工場におきましても、新型遠心機の導入に向けて、いよいよ本番であります。
 MOX燃料工場も、2016年3月のしゅん工を目指し、建設工事が本格化いたします。
 こうしたことから、来年の干支である兎に因んで来年は、「飛躍の年」、何とかそういう年にしてまいりたいと考えております。
 この1年、皆さまには大変お世話になり、ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 
以上

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