日本原燃
2010年11月26日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 最初に、今月15日に開催されました「核燃料サイクル協議会」に関して申し上げたいと思います。
 私も後に控えさせていただきましたが、関係閣僚からは、「核燃料サイクルは中長期的にブレない我が国の強固な国家戦略として着実に推進していく」こと、さらには、「国として、事業者など関係者と一体となり、再処理工場の安定運転技術の確立に向けた支援を進めていく」ことなどのご発言がありましたことは、私どもにとりましても、本当にありがたく、また、大変心強いものでありました。改めて、再処理工場のしゅん工に向けて、しっかりと取り組んでいかねばならないとの思いを強くした次第であります。

 次に、「再処理工場における現在の取り組み状況」についてご説明いたします。
 固化セル内における機器の再点検につきましては、順調に進んでおり、ほとんどの機器の点検が終了いたしました。このため、引き続き、A系の炉内残留物除去作業に着手することにいたしました。新しく開発した除去装置を使っての習熟訓練も終了し、明日から現場への取付けを行い、来週早々には、除去作業を開始する予定であります。
 また、B系のガラス溶融炉への温度計の設置工事につきましては、先日、公表させていただきましたが、11月中旬に据え付けて、動作確認をしたところ、温度計の一部に絶縁不良が確認されました。12月中旬には温度計を復旧できる予定ではありますが、設置については、A系の残留物の除去作業が終了した後に行うことといたしました。
 今後につきましても、固化セル内の状況や作業効率など、柔軟に作業の順番を考え、全体工程が着実に進んでいくよう、取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「ガラス溶融炉の運転方法の改善検討結果報告書」につきましては、今月1日に国へ追加報告し、現在、国で審議をいただいているところでありますが、今後、国の評価をいただいた上で、青森県ならびに六ヶ所村に報告させていただきたいと考えております。
 また、分離建屋における高レベル廃液濃縮缶の温度計保護管内への廃液漏えいにつきましては、これまで原因究明として、なぜ保護管が損傷したのか、復旧策として検討している方法が有効であるのか、といったことを評価するために、実規模の試験などを行ってまいりました。 
 こうした結果も踏まえ、現在、原因究明と、その復旧方法および再発防止対策などに関する報告書の取りまとめ作業を行っているところであり、近々、国へ報告書を提出できるものと考えております。いずれにいたしましても、報告書を国に提出いたしましたら、速やかにお知らせしたいと考えております。

 再処理工場の現在の取り組み状況は以上の通りですが、改めて、今後の段取りをご説明いたしますと、「ガラス溶融炉の運転方法の改善検討結果」については、国の評価をいただき次第、青森県ならびに六ヶ所村へ報告すること、固化セル内の作業については、「A系の炉内残留物除去作業」を開始し、その後、「B系の温度計設置工事」を実施すること、あわせて、「高レベル廃液濃縮缶に係る復旧作業」についても実施することとし、こうした作業などが終了した後、B系の事前確認試験に臨みたいと考えている次第であります。

 次に、「原子力メンテナンスマッチングフェア」についてですが、来月10日に、青森市において、青森県および青森県中小企業団体中央会主催による「原子力メンテナンスマッチングフェア」が開催されます。今回は、初めて県内全ての原子力事業者が参加しての開催であり、メンテナンス会社の参加数は過去最多の24社となっております。
 私どもといたしましても、かねてから、青森県の産業育成・地域振興にお役に立ちたいとの考えから、2006年に再処理工場のメンテナンス業務に関する情報交換の場として「メンテナンス見本市」を開催し、翌年には、当社の予備品倉庫などをご案内する「予備品倉庫見学会」を開催してまいりました。
 マッチングフェアにつきましても、2008年に六ヶ所村スワニーで開催されて以来、私どもの活動と相まって、具体的な成果にも繋がってきております。今後もこうした取り組みを継続し、地元発注の拡大や地元雇用の確保など、地域との共生を図ってまいりたいと考えております。

 最後になりますが、MOX燃料工場につきましては、お陰さまで先月28日に着工し、現在、掘削工事を開始しております。安全確保の観点から、冬季期間は工事を休止することになりますので、念のためご承知おきいただければと思います。いずれにいたしましても、災害ゼロを目指し、安全第一で取り組んでまいる所存であります。

 
以上

INDEX 一覧へ