日本原燃
2010年5月31日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「レンガの回収作業の状況」、「東海村にある実規模モックアップ施設・KMOCを使った試験の状況」、「MOX燃料加工事業の許可」の3点について、ご説明させていただきます。

 まず、「レンガの回収作業の状況」につきましては、今月15日に回収作業を再開いたしましたが、残念ながら回収には至っておりませんので、より確実に回収するために新しい治具2基を製作することとして、先週28日に国へ設工認を申請いたしました。この治具は、前回行った改良に加え、レンガの把持力の向上を図るものであります。
 今の予定では、設工認の認可をいただいた上で、6月上旬から中旬に新しい治具によるレンガの回収作業を開始したいと考えております。
 レンガの回収は、ガラス溶融炉の長期的な安定運転と信頼性の向上につながる技術であると考えておりますので、何とかこの技術を確立するために、根気強く取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、「東海村にある実規模モックアップ施設・KMOCを使った試験の状況」についてご説明いたします。
 このKMOCを使った試験につきましては、4月に実施した模擬廃液による試験に続いて、5月3日から不溶解残渣を含んだ模擬廃液による試験を実施しており、これまでのところ、ほぼ順調に進んでおります。この間に、不溶解残渣を入れたことによる仮焼層のでき方や炉内の温度変化など、かなり分かってまいりました。
 今後、さらに詳細にデータを分析しまして、慎重に試験を進めていきたいと考えております。
 また、6月中旬まで実施する試験の中で、前回起こった流下不調の時に近い状態を再現いたしまして、今後のアクティブ試験に万全を期すためのデ−タ収集と評価を実施してまいる予定でございます。

 最後に、「MOX燃料加工事業の許可」についてご説明いたします。
 既に、皆さまにはご報告させていただいておりますが、今月13日にMOX燃料加工事業の許可を国からいただきました。ご理解をいただきました青森県や六ヶ所村の皆さまに心から感謝を申し上げます。
 この事業は、ウラン濃縮、低レベル廃棄物の埋設、海外返還廃棄物の管理、再処理に続いて、原子燃料サイクルの骨格を成す当社としては5番目の事業であります。このたび、事業許可をいただき、原子燃料サイクルが一歩前進したという意味で、とても大きな意義があるものと思っております。
 当日、松下 経産副大臣から「我が国の原子力政策の計画的かつ確実な実施のために極めて重要な施設である」、さらには、「国を挙げて期待している。安全第一で目標達成できるよう頑張ってほしい」というお言葉をいただき、改めて、何よりも安全を第一に、しっかりと事業を進めていく決意を新たにした次第であります。
 今回、着工時期につきましては「今年10月」へ、しゅん工時期につきましては「平成28年3月」へそれぞれ見直しをいたしましたが、先日申請した第1回目の設工認に続いて、着工に必要な「建築確認」を早ければ明日にでも青森県へ申請する予定であります。
 今後、6月中旬頃から着工に向けての準備作業も進めてまいりたいと思っております。

 
以上

INDEX 一覧へ