日本原燃
2010年4月28日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「レンガ回収作業への取り組み」と、「東海村にある実規模モックアップ施設・KMOCを使った試験の状況」についてご説明いたします。

 まず、「レンガの回収作業」につきましては、既にご報告させていただいておりますが、これまでの作業の結果、台形状のレンガは、炉底の中央からずれて傾斜部に一端が乗り上げて斜めになり、どうも裏返しになっている等、これまで使っていた治具では把持しにくい位置にあるということがわかってまいりました。
 このため、固化セルクレーン、パワーマニピュレータといった機器の点検期間を使って、レンガの回収治具を改良することにしたものであります。
 治具の把持部の先端を円形から四角形に変えることにより、レンガを動かしやすくし、また、把持する幅を広げることによって、より掴みやすくするものでありますが、今の予定では5月の連休中に改良を終わらせまして、当社施設内でモックアップ試験を行い、性能と操作性を確認した上で、5月10日の週からレンガ回収に向けた溶融炉の熱上げを開始したいと考えております。

 次に、「東海村にある実規模モックアップ施設・KMOCを使った試験の状況」についてご説明いたします。
 KMOCを使った試験は、4月11日に再開いたしましたが、まず、白金族と不溶解残渣を入れない模擬廃液による試験を行いまして、続いて、白金族を含んだ模擬廃液による試験を昨日まで実施いたしました。
 なお、安定運転の継続にはガラス温度の管理が不可欠でございますが、これまでの試験を通じて、改良した熱バランス計算プログラムにより、ガラス温度を適切に予測することができるようになりました。また、洗浄運転につきましても、従来の「模擬ガラスビーズ」に変えて「模擬廃液」を供給する方法により、仮焼層をこわさずに炉底に沈降した白金族を期待通りに抜き出せることも確認できております。
 課題は、不溶解残渣を供給した場合の炉内温度の変化や炉底状況の悪化にきちんと対応できることをデータで確認することであります。このため、5月初旬から不溶解残渣を含んだ模擬廃液による試験を開始する計画でございます。
 KMOCを使った試験は、6月中旬まで続けていきたいと考えておりますが、時間が多少かかってもアクティブ試験に万全を期すためにデータを収集し、その評価をしっかりと行い、前回起こった流下不調の原因究明や安定した運転方法の確立につなげてまいる所存であります。

 最後になりますが、先週、原子力委員会ならびに原子力安全委員会において、当社のMOX燃料加工事業に関して、申請に対する審査結果が妥当であることが確認され、経済産業大臣への答申が出されましたことは、一歩大きく前進したという意味で、非常によかったと思っております。
 今後は、経済産業大臣からの許可をいただき次第、直ちに設工認の申請を行えるよう準備を進めてまいります。
 また、ウラン濃縮事業におきましても、4月15日からは、新しくつくりました製造工場で「新型遠心機」の構成部品を実際に組み立てる作業に着手いたしました。
 来年9月の新型遠心機による運転開始を目指しまして、着実に進めてまいりたいと考えております。

 
以上

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