日本原燃
2009年2月25日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「高レベル廃液の滴下を踏まえた全社的な再発防止への取り組み」と、「再処理工場の安全操業に向けた新たな人材育成」について申し上げます。

 まず、「高レベル廃液の滴下を踏まえた全社的な再発防止への取り組み」について申し上げます。
 先月21日に続いて、今月1日に高レベル廃液を溶融炉に供給する配管の閉止フランジ部からの廃液滴下というトラブルを繰り返したことについて、サイクル事業の経営を預かる者として厳粛に捉えており、品質保証活動の総点検に再度取り組むよう改めて指示したところであります。
 今回の事象がセル内で起こったこととはいえ、いずれも漏れたものが高レベル廃液であったという事態の重さを痛感し、青森県民の皆様に大変ご心配をおかけしておりますことを申し訳なく、お詫び申し上げます。
 そうした事態の重大さと青森県民の皆様のご心配を全社員が念頭に置き、徹底した原因の究明と再発防止対策の検討を進めております。
 昨日には、セル内に滴下した高レベル廃液についての報告書の内容を改め、国へ提出いたしました。更に、今後も継続して組織的要因等について品質保証上の改善を図っていくとともに、その改善状況については別途取りまとめて報告する予定であります。
 今回の取り組みの特徴は、再処理事業部にとどまらず、全社を挙げて展開しているという点であります。
 具体的には、私から全社員に向けてメッセ−ジを再度発信し、「今こそ、意識改革と全員参加をお願いする」と呼びかけるとともに、「自ら考える、一歩踏み出す、そして十分に深堀りをする」という、年頭に私が全社員へ発信した三点の指示を改めて徹底するよう全社員に訴えました。
 同時に、当社の品質保証活動を統括する「品質・保安会議」の下に、新たに「全社再発防止対策検討委員会」を設置し、そこに全社から選んだ社員を集め、直面するトラブルについて、根本原因まで深堀りした分析と再発防止策の検討を鋭意進めております。
 そして、今回のトラブルの反省等を踏まえ、再処理事業部大での組織的要因、根本原因まで深堀りした再発防止策を含めた報告書を3月中に取りまとめるとともに、当社の品質保証体制の再構築と組織風土の改革に向けた全社大でのアクションプランを、4月末を目標に策定する予定です。そして、このアクションプランは、再処理事業部はもとより、広く全社に適用・導入してまいる所存です。
 なお、今月15日からは、固化セル内で廃液が滴下したフランジ部をはじめ、トレイ、そしてトレイの下にある配管等について、洗浄作業を開始しました。
 この洗浄作業は、いずれもセル内の遠隔操作であり、予めモックアップ試験も行った上で諸準備を整え、洗浄水を回収しながら慎重に行っております。
 洗浄作業が終了した後は、結合装置をはじめとする各種機器の取り付け作業等、ガラス溶融炉の復旧作業を実施する予定であります。そして、諸準備が整い次第、ガラス溶融炉内の熱上げと炉内ガラスの抜き出しを行い、炉底部の詳細点検と異物の除去等を実施したいと考えております。

 次に、「再処理工場の安全操業に向けた新たな人材育成」について申し上げます。
 このたび、再処理工場の安全操業に向け、運転・保守に携わる社員を対象に、個人の安全意識と安全技術・技能の更なる向上を目指して、(株)日本航空と東日本旅客鉄道(株)のご協力をいただき、両社の第一線現場等で研修を行うことといたしました。その第1回の研修が、一昨日から東京の(株)日本航空・羽田整備工場でスタートいたしました。
 私どもとしては、(株)日本航空そして東日本旅客鉄道(株)という人命を預かる企業の日常業務におけるヒューマンエラー防止活動やトラブル低減に向けた諸活動から、第一線現場・職場の生の雰囲気と緊張感を肌で感じ取り、そうした活動を当社職員自らが体験することによって、不具合やトラブルに対する感受性や気づきの感度を磨くことを大きな狙いとしております。
 今後、こうした実践的な活動が当社現場第一線で多くの実を結び、卓越した安全意識と安全技術・技能を持った職員が数多く育つことを心から願っている次第です。
 なお、この「人材育成」と並んで大切なことは「人材確保」であります。当社は、昨年春に60名の新入社員を迎えました。今年春には、90数名の新入社員が入ってくる予定であります。また、来年春は80名程度の新卒採用を計画しております。
 こうした定期採用の他、中途採用も行っており、今年度は20名を採用いたしました。来年度も引き続き同規模の中途採用を実施したいと考えております。
 私どもは、青森県とともに歩む地場産業の一員として、厳しさを増す経済状況の中で当社のこうした人材確保の取り組みが、結果として青森県内の皆様の雇用確保に何がしかお役に立てればと考えている次第であります。

 
以上

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