日本原燃
2008年10月31日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「アクティブ試験第5ステップの現状」と、「原子力メンテナンスマッチングフェア後に実施したアンケート調査の結果」について申し上げます。

 「アクティブ試験第5ステップの現状」についてです。
 ガラス溶融炉のA系につきましては、さる7月2日に流下の不調が発生したため運転を一旦中断し、そして、それまでに得た知見や経験を踏まえ、炉底電極と流下ノズル等の温度の組み合わせの最適化や偏流等、想定される事象への対応策の具体化、更には流下状況の視認性の向上等を図った上で、さる9月28日からガラス固化体にして3本の流下を行い、流下ノズルの健全性と流下性について確認試験を実施いたしました。
 その結果、(1)ノズルの閉塞がないこと、(2)ノズル上端部にクラック等の発生の可能性は極めて小さいこと、(3)温度条件を再設定することで支障なく流下できたこと、を確認いたしました。
 こうした確認結果とそれを踏まえた原因と対策については、10月1日の国の事故故障対策ワーキンググループでご審議をいただき、「原因については概ね妥当」とのご判断を頂戴しました。
 その審議結果を踏まえた最終報告を10月8日に国へ提出し、そのご確認をいただき、再発防止策を運転マニュアルへ反映した上で、10月10日にガラス固化試験を再開いたしました。
 そして、さる6月に国へ提出した報告の中でお示しいたしました「安定した運転状態の維持」および「長期の運転状態の維持」を確保できることを確認するために、10日午後から1日あたり2本弱のペ−スで慎重にキャニスターへの流下を開始いたしました。
 その結果、仮焼層が安定して形成され、安定運転の指標であるガラス温度や気相温度等も安定して推移していることを確認いたしました。
 また、15本目の流下後に手順書に従って実施した洗浄運転についても、その後の効果すなわち流下性が回復していることを確認することができました。
 そこで、ここまでの合計22本の試験結果とその評価を中心に、更にはその後継続して実施している、燃料せん断片を溶解した際に溶解せずに残る粒子状の成分を多く含んだ廃液を入れたガラス流下試験の現況も追加し、10月27日に国へ提出いたしました。
 今後、追加報告した23本目以降の試験については、更にデータを取得し、その結果については別途、国へ報告をいたしたいと考えております。
   今後も安全を第一に、ひとつひとつ着実にしゅん工を目指してまいる所存です。

 続いて、「原子力メンテナンスマッチングフェア後に実施したアンケート調査の結果」について申し上げます。
 私どもは、「地元青森県の産業育成・地域振興に何がしかお役に立ちたい」という願いから、地元企業の皆さまに再処理工場のメンテナンス業務等へ一層参入していただくことを目指して、一昨年の9月以来、「メンテナンス見本市」や「予備品倉庫見学会」を開催いたしました。
 更に、こうした地域との共生の「輪」を拡げるための企画第3弾として、青森県ならびに青森県中小企業団体中央会と共催で、さる9月3日、六ヶ所村「スワニ−」において「原子力メンテナンス マッチングフェア」を開催いたしました。
 おかげさまで、県内各地から約90社、約140名の地元企業の皆さまに参加していただきましたが、今回のフェアの成果が出来るだけ早く、より多くの実を結ぶようにとの願いを込め、フェアに参加いただいた工事会社の方々等へ、この度アンケート調査を実施いたしました。
 その結果、当社がメンテナンス等を発注する工事会社の中核である12社は、当日面談した延べ183社の地元企業の中で、94社に対して「やる気や参入意欲を感じた」と前向きに評価していることがわかりました。
 また、70社に対しては「実績や技能がある」と高く評価いたしております。
 一方、同様に前向きな声は、当日参加した県内企業の方々からもお聞きしているところであります。
 当社といたしましては、今後、工事会社と地元企業とのビジネスの組み合わせがより多く実現するように青森県中小企業団体中央会とも連携して、その仲介の役割を果たしてまいりたいと考えております。
 また、地元企業の新規参入促進を図るため、原子力技術コーディネーターに更にお願いをするとともに、地元企業向けの予備品組立試験建屋での技術力向上研修プログラムを来年度から開始するよう具体的な準備を進めております。
 混迷を極める国際経済情勢を反映して、現在、我が国経済も不透明感を増しております。そうした状況の中、私どもは青森県内の経済安定化のために、今後も地元企業として何がしかお役に立ちたいと考えております。
 それだけに、今後ともビジネスの「輪」、そして地域共生の「輪」がますます広がるよう努めてまいる所存です。

 
以上

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