日本原燃
2008年6月27日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日は、「平成19年度の決算の概要」と、「アクティブ試験の第5ステップの進捗状況」、そして「予備品製作に関する地元企業との共生」について申し上げたいと思います。

 「平成19年度の決算の概要」について申し上げます。
 まず、具体的な収支のご説明に入る前に、各事業の当期の状況を申し上げますと、再処理事業では初めて電力各社へ再処理製品の引渡しを実施しました。また、廃棄物管理事業では累計1,310本のガラス固化体管理を実施しました。ウラン濃縮事業では12トンの製品ウランを引渡しました。そして、廃棄物埋設事業では6,272本の廃棄体を受入れました。
 こうした状況を踏まえ、収支状況については、「売上高」は2,903億円となり、前期に比べて277億円の減収となりました。
 減収の主な要因は、ウラン濃縮事業で遠心分離機の計画停止に伴い、当期の製品ウランの引渡量が減少したことや、耐震計算誤入力問題に伴い使用済燃料の受入量が減少したことなどによるものです。
 「売上原価」については、2,413億円となり、前期に比べて131億円の減少となりました。売上原価減少の主な要因は、売上高の減少と同様にウラン濃縮事業における製品ウランの引渡量の減少や、耐震計算誤入力問題に伴う使用済燃料の受入量の減少などによる費用の減です。
 結果として、「売上総利益」は490億円となり、「販売費及び一般管理費」を差し引いた「営業利益」は301億円となり、更に、「営業外損益」を加味した「経常利益」は83億円となりました。前期比では196億円の減益となった次第です。
 また、「当期純利益」については、濃縮バックエンド費用の引当や、遠心分離機停止に伴う損失などについて「特別損失」を計上したことなどから23億円の損失となりました。
 なお、貸借対照表の右下にある「株主資本」の欄の「繰越利益剰余金」のマイナスの値、すなわち「累積損失」は、19年度決算により「当期純損失」の分だけ膨らみまして、403億円となっています。
 今後も、事業全般の効率化に取り組み、更なる経営基盤の強化に努めてまいりたいと考えております。

 次に「アクティブ試験の第5ステップの進捗状況」について申し上げます。
 さる6月11日に、当社は再処理施設のしゅん工への最後の課題でありますガラス溶融炉の試験再開に向けて、「溶融炉の運転方法の具体化」について報告書を取り纏め、国へ報告するとともに、青森県ならびに六ヶ所村へお知らせしました。
 この報告書は、ガラス固化設備の開発、試験の経緯などを踏まえ、社内はもとより、各分野の国内の専門家の方々に参加していただきまして、安定した運転状態を確保し、白金族元素の影響を考慮して管理された運転状態を維持するために、検討を重ねてきた成果をとりまとめたものです。
 今後、私どもは、この報告書について国の委員会でご審議をいただき、国の確認をいただいた上で、ガラス溶融炉の試験を再開したいと考えております。
 なお、現在、ガラス溶融炉については、高レベル廃液ガラス固化廃ガス処理設備の排風機の一時停止に係る必要な対策、水平展開などを実施した上で、試験再開に向けた準備の一環として6月17日にガラス溶融炉の熱上げを開始いたしました。
 今後、協力会社と一体となって今一度気を引き締め直し、安全を最優先に着実な前進を図ってまいる所存であります。

 最後に「予備品製作に関する地元企業との共生」について申し上げます。
 今年はいよいよ再処理工場が本格操業に入ります。そこで、地元企業の皆さまに再処理工場のメンテナンス業務などにこれまで以上に参入していただきたいと考え、昨年の3月に「予備品倉庫見学会」を開催し、「当社としてどんな資材・部品を必要としているか」を身近にご覧いただきました。
 その後、細部にわたるご相談を承ってまいりましたが、県内企業の16社がビジネス参入に向けて試作品の製作にトライされ、今年の春までに各社から試作品を納品していただきました。このたび、当社の主管箇所でその品質と技術能力についてチェックをさせていただいた結果、現時点で7社が所要の水準を満たしており、導入可能であることを確認することができました。
 今後は、試験導入の段階に進ませていただき、量産性と品質管理性などを確認させていただきたいと考えております。
 なお、この7社で終わることなく、今後も引き続きご相談などを承ってまいる所存であります。そして、こうした活動が地域との共生、地元企業とのwin-winの関係づくりへとつながっていくことを心から願っている次第です。

 
以上

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