日本原燃
2008年5月29日

 

定例社長記者懇談会挨拶概要



 本日はまず、最近、トラブルが繰り返し発生し、青森県民の皆さまをはじめ、関係各方面の皆さまに大変ご心配をお掛けしておりますことを、心からお詫びいたします。
 サイクル事業をあずかる立場として、こうした状況・事実を重く受け止め、トラブルの原因究明をすすめるとともに、再発防止をどのように徹底するかという視点で、決意を新たに取り組んでいるところです。
 加えて、私自身が先頭に立ち、予兆の管理や気づきの文化を定着させるためにはどうすればよいか、といったことについて、今後、外部の専門家の力をお借りし、問題解決型の小集団活動などを新たに展開していきます。

 その上で、本日は「アクティブ試験の第5ステップの状況」と「再処理施設の工事計画の変更」についてお話いたします。
 まず、「アクティブ試験の第5ステップの状況」についてです。ご存知の通り、再処理施設のしゅん工に向けた最後の課題がガラス溶融炉の試験です。それを再開するために必要な「溶融炉の運転方法の具体化」について、私どもは炉内の残留物の分析・評価や過去のデータの評価、実験・解析などによる種々の調査結果を通じ、溶融炉内で起きた事象や廃液の濃度が運転に与える影響などを一つ一つ解明してきました。
 その結果、得られた知見の中から「事象の分析結果」を4月22日に国の再処理ワーキンググループでご説明させていただき、続いて、「要因の分析結果」、すなわち「溶融炉で何故こうしたことが起きたか」について、5月16日の同じく再処理ワーキンググループでご説明いたしました。
 今後、それらについて報告書としてとりまとめを行い、国へ提出すると同時に、青森県・六ヶ所村へご報告をする予定です。そして、国の委員会などの場でご審議をいただき、国の確認をいただいた上で、ガラス溶融炉の試験を再開したいと考えております。
 一方、使用済燃料のせん断については、4月13日にせん断機油圧系統から再度の油漏れが発生して以降、停止していますが、4月23日に再発防止策などをまとめた報告書を国へ提出しました。また、その水平展開として、5月16日までに再処理工場内における約1万5千箇所におよぶ接合部の点検を行い、にじみが確認された47箇所について増し締めなどの処置を講じ、全て健全であることを、国に確認していただきました。せん断は諸準備が整い次第、再開する予定です。

 次に「再処理施設の工事計画の変更」についてお話いたします。
 最後の課題となっているガラス溶融炉の試験について、私どもは国の了解をいただいた上で、できるだけ早い時期に再開したいと考えています。しかし、2月末に工程変更を皆様にお伝えした時点では、ガラス固化の試験再開を3月末頃と見込んでいたのに対し、既に、アクティブ試験の第5ステップは2ヵ月余りの遅れが生じています。
 そこで、今後の国の委員会などでの審議期間やガラス固化施設の試験に要する期間を考慮し、アクティブ試験工程を総合的に検討した結果、本日開催の当社取締役会において、再処理施設のしゅん工時期を7月に変更することを決定いたしました。あわせて、その旨を経済産業大臣へ届け出た上で、青森県と六ヶ所村へ報告いたしました。
 なお、今回の工程変更に伴う建設工事費への影響については、従来と同様、既に建物関係を中心に完成し、確定しているものが多いため、今回の工程変更に伴う建設工事費の変更はないことを付け加えさせていただきます。

 
以上

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