日本原燃

2007年1月31日


定例社長記者懇談会挨拶概要


 本日は「アクティブ試験の第3ステップの開始」と「再処理施設の工事計画の変更」について、お話をします。
 まず「アクティブ試験の第3ステップの開始」についてです。一昨日、知事ならびに六ヶ所村長から第3ステップへの移行について理解をいただき、29日午後5時半から第3ステップの試験を開始しました。
 この第3ステップでは、せん断と溶解の系列をもう一方の系統に変更し、慎重に処理量を段階的に増やしながら性能を確認するとともに、工場全体を一つのシステムとしてとらえ連続的な運転をはかります。

 そうした中で、2月上旬から予定している燃料のせん断に必要な準備作業と、分析建屋での分析再現性の確認作業を一昨日から始めています。

 これまで第1・第2ステップでは、「個々の設備」の機能などの確認を行い、施設の基本的な安全性について確認しました。それを踏まえ、この第3ステップ以降ではホールドポイントを設けずに各建屋間の連携を図り一連の流れとしてとらえ、工場全体の運営という視点から連続的に試験を進めます。
 その流れの中で技術の習熟を図っていくことが、これからの重要な目的の一つであり大きな特徴です。

 今後とも私どもは安全を第一とし、協力会社と一体となって継続的な品質保証活動に努め、徹底したトラブルの未然防止と技術・技能の向上に取り組みます。
 あわせて知事のご要請を踏まえ、「ヒューマンエラー防止のための小集団活動」、「従業員のメンタルヘルスケア」、「第2ステップの試験結果などアクティブ試験の進捗状況の判りやすい広報」に努めるとともに、慢心せず常に緊張感と使命感を持ち、安全確保を第一義とする厳しい心構えで今後の試験に取り組みます。

 次に「再処理施設の工事計画の変更」について説明します。本件については、昨年末以来、精査を重ねてきましたが、本日開催しました当社取締役会で再処理施設のしゅん工時期を、これまでの「平成19年8月」から「平成19年11月」に変更することを決定しました。同時に、その旨を経済産業大臣へ届け出るとともに、青森県と六ヶ所村へお知らせしました。

 アクティブ試験を昨年3月末に開始して以来、私どもは決して「スケジュールありき」ではなく、慎重に実施してきました。

 その結果として、第3ステップ入りした現時点でのアクティブ試験の進捗状況は「当初の計画から約3か月遅れている」と認識しています。

 その理由としましては、ご案内のとおり第1ステップで発生した放射性物質の体内取り込み問題に対し、ハード・ソフトの対策を立て、その実施に時間を要したことに加え、分析業務の重要性を踏まえ当社ならびに協力会社社員の技能の向上に時間をかけて、じっくりと取り組んだことによるものです。
 この結果、分析作業のレベルは向上しましたし、また、せん断作業についても第1・第2ステップを通じて実施したPWR燃料のせん断に加え、第2ステップで初めて実施したBWR燃料のせん断についても、円滑に進めることができました。こうしたこれまでの試験における実績や知見をふまえ、いま一度今後の工程を精査しました。
 結果として、第3ステップ以降の所要期間については、ほぼ当初計画で考えていた期間、約10か月で工程を進めることができる、という見通しを得ました。

 今後も試験を通じて得た知見を活用し、円滑な試験の遂行に向けて、きめ細かい工夫・努力を重ねながら安全確保を最優先に、一歩一歩着実、かつ慎重に試験を進め本格操業を目指したいと考えています。

 また、今回のしゅん工時期変更に伴う建設工事費への影響については、効率化で吸収することができると考えております。従って今回の工程変更に伴って、工事費に変更はありません。

以上

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