日本原燃

2006年10月27日


定例社長記者懇談会挨拶概要


 私からは2点、「アクティブ試験の第2ステップの進捗状況」と、「再処理施設の増設等」につきまして、一言申し上げます。

 最初は「アクティブ試験の進捗状況」についてです。現在、第2ステップを進めていますが、分析の精度を上げることが今後の工程上極めて重要であると考え、じっくり集中的に取り組んできた「分析再現性確認試験」の目処がたったことから今月3日、ウラン溶液をウラン脱硝設備の脱硝塔へ供給し、これまでの「せん断・溶解」、「分離」、「精製」の各工程の試験に加え、ウランの「脱硝」の工程を開始しました。
 また、今週はじめまでに第2ステップで予定していた約50トンのPWR燃料(109体)のせん断を終了しました。今後、第2ステップの中では、約10トンのBWR燃料(約60体)のせん断を予定しています。
 一方、ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋で、ウラン溶液とプルトニウム溶液を1対1で混合し、来月から脱硝性能確認試験を開始する予定であり、ウラン・プルトニウム混合酸化物を製品として回収する計画です。
 第2ステップの全体的な進捗は、若干、遅れ気味であるものの大きなトラブル等もなく、おおむね順調に進んでいます。これからは、ウラン・プルトニウム混合酸化物製品が出来上がる、というアクティブ試験の正念場を迎えます。それだけに、今後も一歩一歩、慎重かつ着実に試験に取り組んでまいります。
 なお、六ヶ所再処理工場の最大の特長は、わが国独自の「混合脱硝」という核不拡散の技術を持っていることです。
 従って出来上がる製品は、プルトニウム粉末ではなく、核不拡散性に優れたウラン・プルトニウム混合粉末であり、さらに世界トップレベルの多重システムによる保障措置(兵器転用を防ぐ体制)とあいまって、「原子力の平和利用」の一つのモデルになるもの、と考えています。

 次に、去る17日に青森県、ならびに六ヶ所村へご理解・ご協力のお願いを行った「再処理施設の増設等」についてです。
 「再処理施設の増設等」とは、六ヶ所再処理工場を操業していく上で必要となる「製品の貯蔵建屋」、「廃棄物の処理・貯蔵建屋」などを計画的に増設するものです。今回は、現時点から準備を進める必要がある4施設などについて、県と村へご説明しましたが、その結果、三村知事からは「安全性に関する専門家の意見なども参考にしながら検討する」、また、古川村長からは「操業する上で必要なものと理解している」とのお言葉をいただきました。
 こうした、ありがたいお言葉をいただいたことを踏まえ、今後、改めて青森県をはじめ、地元のご了解をいただいた上で、準備が整い次第、事業変更許可申請を行いたいと考えています。
 一方「海外返還廃棄物の受け入れ」については「検討する状況にない」、「時間がかかる」との言葉を知事と村長からいただきました。私どもは、関連する、国の原子力立国計画や原子力政策大綱などについて、青森県の皆さまをはじめ、より多くの方々からご理解を得られるよう、国や電気事業連合会などと連携した地道な活動を、今後進めてまいりたいと考えています。そして何よりもまず、現在実施しているアクティブ試験が、正念場を迎えていることを踏まえ、安全かつ着実な試験の実施に全力を傾注してまいります。

以上

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