日本原燃

2006年7月31日


定例社長記者懇談会挨拶概要


 はじめに、先般、発生いたしました体内取り込みの件につきまして、マスコミの皆さまをはじめ、県民の皆さま方に多大なるご心配をおかけいたしましたことに、改めて深くお詫び申し上げます。

 さて、アクティブ試験の第1ステップの報告と、放射性物質の体内取り込み問題の原因と対策につきましては、7月上旬に国・県・村へ、ご報告させていただき、7月14日に国からご評価をいただきましたが、本日はその後の状況について、ご説明させていただきます。

 この2つのテーマにつきましては、この14日に青森県議会で、ご説明させていただいたことを皮切りに、青森県議会ならびに六ヶ所村議会の全員協議会、原子力政策懇話会、全市町村長会議など数多くの場で、ご審議をいただきました。
 こうした様々な機会を通じ、厳しいご意見・ご批判、あるいは励ましの声など、実に様々なご意見をいただきました。

 特に、放射性物質の体内取り込みに関しましては、厳しい「おしかりの言葉」を多数頂戴しましたが、私どもといたしましても、5月に引き続いて、6月に同様の事象が発生しましたことを、非常に重く受け止め、深く反省をいたしております。幸い、分析員の健康に影響はなかったものの、鼻などに放射性物質が付着した原因は、設備的な要因に加え、いくつかの人為的な要因が重なったことによるものと考えております。それだけに再発防止対策として、すでにご報告いたしましたように、ハード面とソフト面の両面にわたる徹底した対策を策定し、現在、鋭意推進しているところであります。こうした再発防止対策に関する実施状況及び今後の計画について、本日、青森県へ報告致しました。
 まずハード面で、放射性物質がはく離しても分析員に付着しないよう、排気機能を備えた分析装置用フードを設置、また、数え落としのない、すなわちカウント数を誤って表示しない測定器を導入・設置、さらに試料皿を運搬する際の入れ物をチャック付袋から専用運搬容器に変更といった諸対策につきましては、いずれも本日までに完了する見通しです。

 一方、ソフト面としては、必要な前処理を行ったことを、分析員が自ら確認するチェックシートの導入は作業管理者の配置と同時に行う予定です。また、協力会社の分析員を含めての汚染トラブルに関する教育や、分析手順と汚染リスクに関する教育につきましても、協力会社の社員も含めて、分析員全員への再教育を8月3日までに終了する予定としております。なお,本教育は今後も継続して実施してまいります。
 さらに、技術・技能の長期的・継続的向上を図っていくという観点から、「技術・技能認定制度」につきまして、現場での実技試験を新たに設けるとともに、資格の更新制度を新設するなど一層充実させ、しかもそれを協力会社の社員にも同時に導入することといたしました。
 まず、分析作業からその導入を図ることとし、現在、試験を行っており、合格者を8月4日には認定する予定です。なお、その他の部門(運転・保修・放射線管理)の教育・訓練につきましては今後、順次、実施してまいりたいと考えております。

 また「ヒューマンエラー防止小集団活動」につきましては、約150を数えるチームの一部では、すでに活動を開始し、まずはそれぞれの職場での問題点の徹底的な洗い出しから始めています。私といたしましては、そうした現場の声にしっかりと耳を傾け、その改善策については必要なものを積極的に採用し、また、水平展開を図ってまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、この1カ月にわたり、各界各層からいただいた貴重なご意見、ご批判など、私どもへの期待を、しっかりと胸に刻み込むとともに、先般、知事から承ったご要望、原子力安全保安院からのご指導、さらには県議会から頂戴した決議書の内容などを真摯に経営に反映して、一層の安全確保と品質保証活動の徹底を目指し、全力で取り組んでまいる所存であります。同時に「当社と協力会社が一体となり、資源小国日本のエネルギー安定供給の一環を担っているんだ」という「使命感」と「高い志」を共有しつつ体制を強化し、ご当局のご指導をいただきながら、第2ステップに更なる緊張感を持って、臨んでまいりたいと考えております。

以上

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