日本原燃

2006年5月30日


定例社長記者懇談会挨拶概要


 本日は、アクティブ試験の第1ステップにおける試験の状況などについてご説明します。
 前処理建屋では、第1ステップで計画していた使用済燃料67体のうち、これまで36体をせん断・溶解処理しました。試験前に想定していた、せん断工程における「ひっかかり」や「噛み込み」等は多少あったものの、試験工程に影響を与えるほどのこともなく、せん断・溶解については順調に進んでいます。
 分離建屋では、使用済燃料の溶解液から核分裂生成物を除去する性能や、ウランおよびプルトニウムの分離・分配性能を確認する試験などを行っています。
 なお、第一ステップにおける試験の特徴は、慎重に性能確認を行うため、核分裂生成物およびプルトニウム濃度を段階的に増加させながら、核分裂生成物の分離性能およびプルトニウムの分配性能を確認している点です。
 精製建屋では、分離建屋で分離・分配されたウラン溶液およびプルトニウム溶液を受け入れ、微量に残っている核分裂生成物を除去する精製性能等の確認を行ってきました。
 しかしながら、今月17日、試薬分配室においてプルトニウム洗浄器に供給する試薬(硝酸ウラナス溶液)が、T字型をした配管の接続部から堰内に漏えいしていることを確認したため、プルトニウムの精製工程を停止し、原因を調査してきました。
 昨日、その結果等について公表しましたが、再発防止対策を講じ、使用前検査に合格したことから、今朝、試薬の供給を開始しました。
 なお、アクティブ試験の第1ステップの工程は、試験開始以降、数件のトラブル等対応に約2週間程度の期間を要していますが、今後、着実に試験を進めることによって、来年8月のしゅん工には影響はないものと考えています。
 今後は、第1ステップで予定している残り31体の使用済燃料をせん断・溶解し、引き続き、分離・精製工程での試験を実施します。
 ウラン脱硝ならびにウラン・プルトニウム混合脱硝の試験については、第2ステップで予定していますが、ウラン溶液およびプルトニウム溶液は、脱硝処理を開始するまでの間、それぞれの建屋内の貯槽に一時的に貯蔵します。
 今後ともアクティブ試験においては、何よりも安全を最優先に、一つ一つ慎重に取り組み、また、それらの状況については、ホームページなどを通した日常の情報提供等を通してお知らせしたいと考えています。
 最後に、先週公表した、再処理工場内の分析建屋において試料を分析していた協力会社の作業員が、微量の放射性物質を体内に摂取していたことについてです。
 この件については、作業者の健康に影響はなかったものの、多くの方々にご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます。
 現在、原因を調査中ですが、核物質を取り扱う私どもにとって、今回の件を重く受け止め、体内摂取を確認した当日から同様の作業での半面マスクの着用を徹底するなどの対策を実施しています。
 さらに、県・村ご当局から現場確認の際にいただいたご要請を受け、早急に対策をとることとしています。
 具体的には、原因究明および再発防止対策を早急に講じること、協力会社を含めた安全集会を実施すること、現場の作業安全に関して、日本原子力技術協会のチェックを受けることです。
 このうち安全集会については、5月31日9時30分より協力会社の方々も参加して開催します。
 また、日本原子力技術協会のチェックについても、来月中旬頃までに受けることができるよう検討を進めているところです。
 今後、当社では、再処理事業をはじめ当社事業全般について、今一度、気を引き締め直し、緊張感を持って「安全」を一つ一つ積み上げていくよう、全力で取り組んでまいります。

以上

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