日本原燃

平成17年7月27日


定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、使用済燃料受入れ・貯蔵施設バーナブルポイズン取扱いピットにおけるプール水の漏えいに関する再点検、ならびに補修状況、ウラン試験の進捗状況について、説明させていただきます。

 

【プール水漏えいの今後の対応】

 今月12日「使用済燃料受入れ・貯蔵施設のバーナブルポイズン取扱いピットにおけるプール水漏えいの原因と今後の対応」について、国、青森県ならびに六ヶ所村に報告させていただくとともに、報道関係の皆様にも発表させていただきました。
  その際、「燃料貯蔵プール等における漏えいに関する運用ルール」について、私どもの説明が十分でなかったことから正確にお伝えできずに、皆様をはじめ県民の皆様に大変ご心配をおかけしましたことを、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。
  本日は、この点について、改めてご説明させていただきます。
  ぜひご理解いただきたいことは、プール水が漏えいした場合は、必ずその全てについて補修するということです。同時に、速やかに補修することが大原則であるということです。
  この点について、具体的にご説明させていただきます。
  まず、漏えい検知装置において水の滴下を確認した場合は、通常の1日1回の監視体制を1日3回と強化します。
  そして滴下した水の放射性物質濃度等を分析し、漏えいを確認した場合は、直ちに漏えい箇所の特定作業にとりかかり、その量の多少にかかわらず全てを必ず補修します。
  この補修作業の実施にあたりましては、環境安全および作業安全の確保を前提に、現場における使用済燃料の受入れ作業や燃料貯蔵施設の定期点検作業などとの調整を図りつつ、計画を立てて速やかに補修作業にとりかかります。
  ただし、漏えい量の増減傾向を評価した結果、漏えい量が今回定める管理上の目安値である1時間当たり10リットルを超える可能性があると判断した場合、仮に漏えい量が1〜2リットルでも、その段階で現場における他の作業に優先して直ちに補修作業にとりかかります。
  この10リットルを管理上の目安値としたのは、プールへの水の補給能力、1時間当たり約50,000リットルを十分下回るなど、燃料貯蔵プール等に求められる安全機能(冷却機能や放射線の遮へい機能)であるプール水量の維持に影響を及ぼさない値として設定したものです。
  また、プール水が漏えいした場合は、建屋内において回収し、1時間当たり約1,000リットルの廃液処理能力をもつ設備によって処理できる仕組みとなっています。
  こうした貯蔵プール等の安全機能の確保を含め、私どもの対応の考え方については、今月15日に開かれた国の「六ヶ所再処理施設総点検に関する検討会」においてもご審議いただきました。
  当社としては、その際に示された国の評価を踏まえながら、今後、適切に対応していきたいと考えています。
  今後とも、プール水漏えいの有無などの状況については、日々、皆様にお知らせするとともに、ホームページに公表していきます。同時に、県民の皆様にご理解をいただけるよう、正確で分かりやすい情報の提供に努めていきます。

 

【再点検の進捗状況】

  13日までに再点検の対象となる、三隅コーナー約100箇所の曲げ加工部のDVD録画画像の再確認を終え、14日より現場における工業用カメラを用いての外観点検を開始しています。
  この再点検作業については、1か月程度でその結果を取りまとめられると考えています。
  結果については、まとまり次第、ご報告させていただきます。

 

【漏えい箇所の補修工事状況】

 設計および工事の方法について、今月20日に国の認可を受け、当日より作業を開始しました。
  主な工事は、切り出した箇所を含むライニングプレートの部分的な切り取り、張り直しです。工事は、1か月程度で終了すると考えており、工事終了後は、国の検査を受けることとしています。

 

【ウラン試験の進捗状況】(最新のウラン試験状況はこちらをご覧ください)

  「前処理建屋」においては、先月末にせん断・溶解作業が終了し、現在はセルの閉止や制御盤などの定期的な設備点検などを行っています。
  「分離建屋」ならびに「精製建屋」においては、機器を強制的に停止させ、その際の設備の動作状況などを確認する外乱試験を、それぞれ6月末、7月中旬より行ってきました。
  今後、「分離建屋」では、ウラン試験の最終段階である建屋全体の運転操作性や、処理能力を確認する建屋統合試験を今月末から来月前半にかけて実施する予定であり、その後はセルの閉止や定期的な設備点検など、総合確認試験に向けた準備作業を行う予定です。また、「精製建屋」においては、一昨日から建屋統合試験を開始しています。
  「ウラン脱硝建屋」においては、先月発生した脱硝塔内のウラン粉末の詰まりを取り除き、先週より脱硝塔の試験を再開しており、来月後半から建屋内の全ての系統を定格処理能力で運転する定格処理試験を行う予定です。
  「ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋」においても、来月初めより定格処理試験を始める予定です。
  試験項目を単位とするウラン試験の総合進捗率は、6月末現在で約44%です。


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