日本原燃

平成17年6月29日


定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、使用済燃料受入れ・貯蔵建屋バーナブルポイズン取扱ピットに関する状況、ウラン試験の進捗状況、平成16年度決算の概要について説明させていただきます。

 

【使用済燃料受入れ・貯蔵建屋バーナブルポイズン取扱ピットに関する状況】

  当社は、今月9日、使用済燃料受入れ・貯蔵建屋バーナブルポイズン取扱ピットから微量のプール水漏えいを確認しました。このことにより、県民の皆さまに多大なる心配をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。
  本件に関しては、漏えい確認後、逐次、情報提供しておりますが、本日はこれまでの経緯、および現在の状況について、改めて報告させていただきます。
  今月8日、パトロール中の当社社員が、漏えい検知装置において滴下を発見し、5日後の13日に、同ピット南西角の床コーナー部付近に漏えい箇所1か所を確認し、その後の調査の結果、他には問題となる箇所がないことを確認しました。そして20日、原因調査のために当該部分を切り出し、使用済燃料の材料等に関する専門的な試験を行う研究施設である、茨城県大洗町の日本核燃料開発(株)へ搬出し、現在、詳細な調査を行っているところです。
  今後の予定としては、この研究施設での詳細な調査や、松田福久 大阪大学名誉教授をはじめとする6名の専門家の方々の評価などを踏まえ、原因と対策をまとめ次第、青森県・六ヶ所村にご報告するとともに、皆さまにもお知らせしたいと考えています。

 

【ウラン試験の進捗状況】(最新のウラン試験状況はこちらをご覧ください。)

  昨年12月21日にウラン試験を開始し、ほぼ半年が経過しました。この間、いくつかの軽微なトラブルはありましたが、一つひとつ試験を積み重ね、現在のところ、概ね計画どおりに進捗していると考えています。
  現在のウラン試験の状況について、主な建屋ごとに説明させていただきます。
  「前処理建屋」においては、操業状態を想定した連続運転により、処理能力の確認を行う建屋統合試験を5月から行っています。この試験では、24体のPWR模擬ウラン燃料集合体と37体のBWR模擬ウラン燃料集合体のせん断・溶解を行う計画としており、本日朝、最後のPWR燃料4体のせん断を終了しました。今後、溶解作業が終了すると、前処理建屋での主要なウラン試験は、概ね終了することになり、今後、セルの閉止や定期的な設備点検など、総合確認試験に向けた準備作業にとりかかる予定です。
  「分離建屋」、「精製建屋」においては、これまで「ミキサセトラ」や「パルスカラム」などの主要機器を中心に組み合わせた系統包括試験を実施してきました。今後は、次のステップとして、機器を強制的に停止させ、その際の設備の動作状況などを確認する外乱試験を行い、来月後半から、それぞれの建屋におけるウラン試験の最終段階として、全体の運転操作性や処理能力を確認する、建屋統合試験を行う予定です。
  「ウラン脱硝建屋」においては、すでに皆さまにお知らせしたとおり、脱硝塔内でウラン粉末の詰まりが発生したことから、これを取り除き次第、試験を再開する予定です。
  「ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋」においては、引き続き「脱硝装置」などの主要機器の試験を行います。
  試験項目を単位とするウラン試験の総合進捗率は、5月末現在で約37%です。

 

【平成16年度の決算の概要】

  収支状況については、営業収益は642億円と、前年度に比べ90億円増加しましたが、主な要因は、ウラン濃縮料金の改定等によるものです。
  一方、営業費用は394億円と、前年度に比べて10億円減少しました。
  この結果、営業利益は、前年度に比べて101億円増の247億円となりましたが、支払利息等の営業外費用が264億円となったことなどから、19,000万円の「経常損失」となりました。
  そのほか、特別利益として、昨年11月のウラン濃縮料金の契約締結に伴い、平成15年度分料金の精算額141億円を前期損益修正益として計上しました。また、特別損失として、ウラン濃縮設備の機械装置に係る耐用年数の見直しによる過年度の償却不足額を臨時償却費として計上したことなどにより、当期純利益は8,200万円となり、前期繰越損失を合わせた当期未処理損失は571億円となりました。


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