日本原燃

平成17年4月26日


定例社長記者懇談会挨拶概要

MOX燃料工場の立地基本協定書の締結について】

 先週19日、電気事業連合会の立会いのもと、青森県ならびに六ヶ所村と 「MOX燃料加工施設の立地への協力に関する基本協定書」を締結し、翌20日 に経済産業省へ事業許可申請を行いました。
  原子燃料サイクル三施設については、昭和60年に県、六ヶ所村と「立地基本協定書」を締結し、今月18日でちょうど20年が経過しました。この大きな節目の年に、新たにMOX燃料加工施設の立地基本協定を締結できましたことに、これまでご尽力を賜りました三村知事、古川村長をはじめ、国、県、村ご当局、さらには六ヶ所村民をはじめ県民の皆さまに対し、改めて心から感謝を申し上げます。
 MOX燃料工場は、現在試験運転中の再処理工場と一体のものであり、このたび基本協定を締結し、事業許可を申請することができましたことは、わが国にとって不可欠であるサイクル事業の確立に向け、確かな、そして大きな一歩であると受け止めています。
 この歩みをさらに着実なものにしていくためにも、われわれ社員一人ひとりが、サイクル事業に対して、これまで以上に強い信念と使命感、そして高い「志」をもって、協力会社と一体となり、安全を大前提とした事業運営に努めてまいります。
 そして、その安全を一つひとつ積み重ねるとともに積極的かつ分かりやすい情報公開に努め、「安全」が「安心」につながるよう、全力で取り組んでいく所存であります。
 もとより、この「安全」「安心」の裏付けとなるのが「品質保証」であり、常々申し上げているとおり、「品質保証」にゴールは無いという認識のもと、社員、協力会社が一体となって、もうワンランク上のレベルを目指し、常に一歩一歩確実に前進していくよう、チャレンジし続けてまいります。

 

【ウラン試験の進捗状況について】(最新のウラン試験状況はこちらをご覧ください。)

  ウラン試験の工程については、「前処理」「分離」「精製」「脱硝」等の各建屋において進めています。
  こうした中で「前処理建屋」においては、一体から数体の模擬ウラン燃料集合体のせん断を繰り返しながら、個々の機器の状況を確認する試験を3月21日に終了しました。
  現在は、せん断機や溶解槽などの設備の点検をしている状況であり、5月下旬より操業状態を想定し、連続運転して処理能力の確認を行う建屋統合試験を開始する予定です。
  「分離建屋」ならびに「精製建屋」においては、「ミキサセトラ」や「パルスカラム」といった主要機器の試験に加え、ウラン溶液やプルトニウム溶液を加熱して濃縮する「ウラン濃縮缶」、「プルトニウム濃縮缶」といった機器の試験を実施しています。
  脱硝工程については、3月末より、「ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋」において、MOX粉末を製造する機器の試験を開始しています。これらの試験については、工程に影響を与えるトラブル等もなく進んでいます。また、来月よりウラン脱硝建屋の主要機器である「脱硝塔」の試験を開始する予定です。
  これまでのウラン試験について、試験項目を単位とする総合進捗率で申し上げると、3月末現在で約16%となっています。

 

【当社の役員人事について】

 19日に開催した当社取締役会において、藤取締役の会長退任と勝俣取締役の会長就任を決定しました。
藤前会長は、青森県に対する深い愛着を持ち、サイクル事業を何としても成し遂げるという熱意と力強いリーダーシップを発揮され、これまで多大なる指導と尽力をいただきました。
  勝俣新会長におかれましても、当社会長と合わせて電事連会長の立場で、大所高所からこれまで以上の指導、支援をいただけるものと考えています。
  勝俣会長をトップとする新たな体制のもと、サイクル事業の確立に向けてしっかりと取り組んでまいります。


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