発表•お知らせ
2019年7月29日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」と「再処理工場の低レベル廃棄物貯蔵建屋の保管能力の向上」、「事業者対応方針に基づく活動」の3点についてご報告させていただきます。

新規制基準への対応状況

 はじめに、「新規制基準への対応状況」についてです。
 今月12日に、再処理工場、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、MOX燃料工場に係わる地震・津波の審査会合が開催され、5月24日の審査会合で規制庁から要望のありました八甲田火山の降下火砕物シミュレーションの評価結果や出戸西方断層の追加調査の進捗状況についてご説明しました。
 規制庁からは、敷地内のボーリング調査で確認された火山灰である甲地軽石の層厚評価の妥当性や火山灰の密度の根拠などに関する記載の充実等の要望がありましたので、改めて資料をとりまとめ、審査会合でご説明したいと考えております。
 次に、出戸西方断層周辺の追加調査については、5月9日からデータ拡充のために実施していたボーリング調査と地表地質調査は当初の計画通りに今月3日に終了し、これまでの調査データと今回の追加調査により得られたデータを合わせた整理・評価も終え、先週23日に規制庁とのヒアリングでご説明しました。
 今回の評価の結果、北端については「2018年の活断層詳細デジタルマップ」が図示する出戸西方断層帯の位置に断層は確認されなかったこと、南端については向斜構造上部の地層の地質年代が補強され、改めて向斜構造の活動性が否定できたことから、これまでの評価に変更がないことを説明しました。今後、審査会合で審議いただくことになります。
 なお、八甲田の火山灰や出戸西方断層の追加調査で得られた私たちの結論の裏づけとなるデータなどについて、現地での確認もあると伺っておりますので、しっかりと対応できるよう、準備を進めてまいります。
 一方、8月1日に開催されるプラントの審査会合では、今月3日の原子力規制委員会の定例会合において、今後の審査の方針として了承された重大事故対策に係る管理放出や対処の困難さの考慮等について、ご説明する予定です。審査の円滑な進行に向け、しっかり取り組んでまいります。
 低レベル放射性廃棄物埋設センターの3号埋設施設の増設等に関する審査会合についても、今月10日に11回目が開催され、指摘事項への対応も着実に進んでおります。
 引き続き、審査合格に向けてしっかりと対応してまいります。

再処理工場の低レベル廃棄物貯蔵建屋の保管能力の向上

 次に、「再処理工場の低レベル廃棄物貯蔵建屋の保管能力の向上」についてです。
 今月8日に、当社の再処理工場で発生する低レベル放射性廃棄物を保管するための施設である第2低レベル廃棄物貯蔵建屋の最大保管能力の向上に係る事前了解願いを青森県および六ヶ所村に提出しました。
 今月18日には青森県と六ヶ所村が専門家からのご助言をいただく会議を開催し、当社からは変更内容や安全性についてご説明しました。今後、県と村より事前了解をいただいた後、速やかに原子力規制委員会へ保管能力向上に係る事業変更許可申請書の一部補正を提出したいと考えております。

事業者対応方針に基づく活動

 次に、「事業者対応方針に基づく活動」についてご紹介します。お手許の資料をご覧ください。
 当社は、2017年度第2回保安検査等で確認された「再処理工場の非常用電源建屋への雨水浸入事象」や「ウラン濃縮工場の分析室天井裏のダクト損傷事象」について、現場の設備の状況を把握できておらず、点検をしていなかったなどの問題があり、2017年9月26日に事業者対応方針を策定し、設備の全数把握や保守管理計画の策定など保守管理のあるべき姿への改善活動に全社一丸となって取り組んでまいりました。
 各事業部における改善活動は、今年3月末で約1年半が経過し、社内の安全・品質改革委員会等において、これまでの活動全般について振り返り、実績や得られた成果から、改善の効果を確認しました。今後は、日常業務として継続的にPDCAを回しながら改善活動を進めることとし、事業者対応方針に基づく活動は一区切りをつけることとしました。
 資料には事業者対応方針の主な活動をまとめております。
 まず、「保全の見直し・改善」については、現場に設置されている全ての設備・機器を把握し、定期的な点検等を行うための点検計画策定や、設備・機器を維持管理するための仕組みの構築を実施しています。
 次に、「JAEA大洗内部被ばく事故に対する水平展開」については、MOX粉末や化学物質等の事故が発生した場合に確実に対応できるよう資機材の準備やそれを使った訓練を行っています。
 そして、「全社としての改善の取り組みの強化」については、現場作業の改善ポイントを自ら発見・改善していく取り組みや、各部署における書類のセルフチェックを強化する活動などにより、保安活動の改善を図ることができたと評価しました。
 今後もこれらの基本的な活動に加えて、マネジメントオブザベーションなどにより、現場で直接業務に携わっている仲間の気付きを促し、意識・ふるまいのレベルアップを目指す活動を継続して、更に改善を進めてまいります。
 改善という活動に終わりはなく、地域の皆さまにご安心いただけるよう、たゆまぬ安全性向上に全社をあげて取り組んでまいります。

 結びに、私どもの事業は地域の皆さまに信頼していただくためにも安全最優先で進める必要があります。そのために、今月3日に開催した安全大会でも話しましたが、当社・グループ会社および協力会社が共に協力して安全を強く意識し、事業を進めてまいります。

 本日、私からは以上です。

以上