発表•お知らせ
2018年3月30日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、まず始めに、当社として事業者対応方針に基づく改善活動を確実に進めてきた結果、具体的な成果が得られていると判断し、今月16日に原子力規制庁との面談において、原子力規制委員会の場でご説明したい旨をお願いいたしました。

 当社は一昨年12月に原子力規制委員会から報告徴収命令を受け、全社で品質保証活動の改善に取り組んでまいりました。
 そのような中で、昨年8月からの第2回保安検査において、再処理工場の非常用電源建屋への雨水浸入やウラン濃縮工場のダクト損傷などの問題に対して、厳しいご指摘を受けました。
 当社として、この問題を重く受け止め、9月26日に事業者対応方針を策定するとともに、10月11日の原子力規制委員会の場で、改善活動を優先するために再処理事業の補正書の提出を見送り、新規制基準適合審査の中断を申し出ました。
 そして、半年間、改善活動に全社一丸となって取り組んでまいりました。
 先週22日には、青森県議会の「原子力・エネルギー対策特別委員会」が開催され、しゅん工時期の変更とともに改善活動の状況についてご説明させていただきました。
 本日は、この改善活動の状況についてご説明させていただきます。

 改善活動の主な取り組みとしては、昨年11月から行っている「設備の全数把握」、次に、一昨年9月に発生した「志賀原子力発電所の雨水流入事象の対応に関する建屋貫通部の再調査」、昨年8月の「非常用電源建屋への雨水浸入事象に係る根本原因分析」があります。
 まず、「設備の全数把握」についてですが、再処理工場における安全上重要な設備の確認はすでに終了しており、直接目視確認できる設備については、状態を確認し、健全性を確認しております。
 目視確認が困難な設備については、運転監視データや過去の検査記録を用いた確認により、系統としての健全性を確認しております。
 あわせて、安全上重要な設備の保守管理計画の有無や点検の実施状況を確認した結果、大半の機器が保守管理計画に基づき点検を実施しており、管理下にあることを確認しております。
 保守管理計画がなく管理下になかったものについては、すべて保守管理計画を策定しております。
 また、ウラン濃縮工場および低レベル放射性廃棄物埋設センターについても、屋内の直接目視確認できる設備については、状態を確認し、健全性を確認しております。

 次に、再処理工場における「志賀原子力発電所の雨水流入事象の対応に関する建屋貫通部の再調査」についてですが、今月13日に原子力規制委員会へ再調査結果を報告しております。
 水の浸入を防ぐ措置が施されていないと判断した貫通部については、今後、防水施工を実施し、施工が完了するまでの間は巡視を強化するとともに、仮設の排水機器等により、速やかに対応できるようにしております。
 また、再処理工場における「非常用電源建屋への雨水浸入事象に係る根本原因分析」についてですが、配管ピットの点検を長期に亘り行っていなかったことなどの問題点に対して、原因分析を実施し、様々な要因を抽出しました。
 その結果、経営層が現場の課題を的確に把握し、保安上重要な業務にリソースを配分できていなかったこと、現場の力量が不足していたこと、機械保全要員の配置等の組織上の問題があったこと等がわかりました。
 その結果に基づき、巡視点検や保守管理計画の改善を行うとともに、保全の専門組織の新設や電力会社が長年培ってきた保全の知識と技術を習得するため、電力会社からの人材を派遣いただくとともに、当社からも電力会社へ出向させていただくといった対策を行います。

 これら改善活動の取り組みの結果、
○安全上重要な設備の健全性の確認や保守管理に係る改善を実施したこと。
○現場対応者の「モノを見る感度」、「確認する意識」が高まりつつあるとともに、組織全体としても日常の巡視点検の範囲の充実や視点の改善を実施したこと。
○建屋貫通部の保守管理等の改善や雨水浸入事象に係る根本原因分析の結果を踏まえた対策立案を完了したこと。
 など、成果が得られており、再処理事業をはじめとする各事業における改善活動は、確実に進んでいると判断いたしました。
 これらの状況について、冒頭申し上げましたとおり、今後、原子力規制委員会の場でご説明し、新規制基準への適合性審査の再開を申し出たいと考えております。 

 この改善という活動には終わりはなく、これらの活動を組織全体に、より一層浸透させ、継続的な安全性向上に全社をあげて取り組んでまいります。

 最後になりますが、先般、ご案内いたしました2018年度の入社式は、過去最高となる129名の新入社員を迎え、4月2日に行う予定です。
 当社が担っている原子燃料サイクルの意義に共感し、青森県内はもとより全国から多くの人材に集まっていただいたことは大変心強く思っております。
 私どもといたしましては、地域に根ざした企業として、引き続き、こうした人材確保の取り組みによって地元の雇用に少しでもお役に立ち、共に発展したいと考えております。

 本日、私からは以上です。 

以上