発表•お知らせ
2015年12月22日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」と「新たな競争環境下における原子燃料サイクル事業の議論」の2点について説明いたします。

新規制基準への対応状況

 まず、「新規制基準への対応状況」について申し上げます。
 再処理施設の審査会合は、先月30日と昨日21日に開催され、個別の重大事故が発生した場合や、複数の重大事故が同時に発生した場合の対策が有効に機能するかどうかを中心に審査が行われました。引き続き、今回ご説明した基本的な条件を超えた場合の対策の有効性も説明するようにご意見をいただきましたので、丁寧に説明してまいります。
 なお、設計基準につきましては、これまでの審査会合で、安全上重要な施設全体を防護対象に見直すとともに、溢水や化学薬品漏えいによる損傷の防止などについて説明した結果、概ねご理解をいただきましたので、その内容を補正書としてまとめ、本日、原子力規制委員会に提出する予定です。内容については提出後、改めて皆さまにご説明させていただきます。
 また、MOX燃料工場につきましては、現在、内部火災などの設計基準について論点整理を行っており、審査に向けた準備を進めているところであります。
 一方、耐震の審査会合につきましては、先月27日と昨日21日に開催され、大陸棚外縁断層や、震源を特定せず策定する地震動の評価などについて審査が行われました。一部、データの拡充などのご意見をいただいておりますが、説明した内容について、当社としては、概ねご理解をいただけたのではないかと考えております。

 今年は、昨年に引き続き、新規制基準への対応に、全力で対応してまいりました。当初は時間がかかりましたが、ヒアリングなどで論点を整理した上で審査会合に臨んだ結果、後半は少しずつ進捗が見られ、一歩一歩、審査合格に向けた歩みを進めることができたのではないかと思っております。
 結果的に、再処理工場とMOX燃料工場のしゅん工時期を再び延期し、県民の皆さまにご心配をおかけすることになったことについては、誠に心苦しく思っておりますが、新しいしゅん工時期の実現に向けて、何よりも安全を最優先に、全社をあげて取り組んでまいります。

新たな競争環境下における原子燃料サイクル事業の議論

 次に、「新たな競争環境下における原子燃料サイクル事業の議論」について申し上げます。
 先月30日、第5回「原子力事業環境整備検討専門ワーキンググループ」において、中間報告(案)が示されました。
 電力自由化など、これまでと大きく異なる経営環境の中にあっても、我が国のエネルギーセキュリティにとって極めて重要である原子燃料サイクル事業を継続的かつ安定的に進めるための措置について検討していただいていることに感謝申し上げます。
 中間報告(案)では、再処理等に係る技術、人材、設備等は特に当社に集積されており、これらを最大限に活用するため、新法人が実際の事業実施を当社に委託することを可能とする仕組みとされました。
 当社としては、このことを重く受け止めるとともに、事業を着実に進めていくためには、今後とも、自分たちがサイクル事業を担っているという社員の使命感を維持することや、何よりも地元の皆さまの声に耳を傾け、地域と一体となった事業運営を進めていくことが必要であり、詳細な検討にあたりましては、そういった観点も十分に踏まえた議論をお願いしたいと考えております。
 当社は、引き続き、安全を最優先に、一層の経営効率化に取り組むとともに、制度に関する議論の動向について注視してまいりたいと思います。

 本日、私からは以上です。この1年、皆さまには大変お世話になり、ありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

以上