発表•お知らせ
2015年7月30日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」、「競争環境下における原子燃料サイクル事業の議論」の2点について説明させていただきます。

新規制基準への対応状況

 まず、「新規制基準への対応状況」について申し上げます。再処理の施設に関する審査につきましては、前回の定例記者懇談会以降、4回の審査会合が開催されました。6月29日以降、重大事故対策に関する基本的な考え方をはじめ、蒸発乾固、臨界事故、水素爆発、溶媒火災といった、各重大事故の発生が予想される設備の範囲や、それらの対策について説明いたしました。
 具体的には、影響の度合いにかかわらず、事故が発生する可能性があるという前提に立ち、安全機能が喪失されるケースを仮定した上で、重大事故対策を講じる対象設備について、環境影響や事象が進展する時間を考慮した重要度分類に基づいた対策の考え方などについて大方説明いたしました。当社としては、一定のご理解をいただけたのではないかと考えております。

 一方、耐震関係につきましては、先月26日、敷地内断層に関する審査会合が開催され、当社敷地内にある断層は活断層ではないと説明した結果、概ねご理解をいただくことができたものと考えております。
 また、7月17日にも審査会合が開催され、出戸西方断層について説明いたしました。昨年12月に現地調査が行われ、その後、いただいたご意見などを踏まえて、当社としてさらに調査を行い、それらの内容を取りまとめて説明した結果、断層の北端・南端の位置が確定いたしました。
 このように、当社の敷地内にある断層についてご理解いただいたことや、敷地近くの耐震設計上考慮すべき活断層である出戸西方断層について、活動性を評価する範囲が決まったことは、大きな進展だったと受けとめております。
 なお、既にお知らせしておりますが、先週23日に、当社は東北電力株式会社、東京電力株式会社、リサイクル燃料貯蔵株式会社と共同で実施した「下北半島東部の地質構造調査に関する最終評価結果」について公表いたしました。海上ボーリング調査の結果などから「大陸棚外縁断層」は、25万年前以降の活動が認められないことから、耐震設計上考慮すべき断層ではないことを改めて確認いたしました。今後の審査会合でも説明してまいりたいと考えております。

引き続き、各審査に、全力で対応してまいります。

競争環境下における原子燃料サイクル事業の議論

 次に「競争環境下における原子燃料サイクル事業の議論」について説明いたします。
 6月26日に開催された総合資源エネルギー調査会 原子力小委員会において、有識者による「原子力事業環境整備検討専門ワーキンググループ」が設置され、7月14日に初会合が開催されました。

 昨年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画に明記されたとおり、原子燃料サイクルは国のエネルギー政策として、引き続き推進することになりましたが、一方で、この事業を共同で支えてきた電力会社は、電力自由化など、これまでと大きく異なる経営環境の変化に直面しております。
 そうした厳しい状況の中であっても、我が国のエネルギーセキュリティにとって極めて重要である原子燃料サイクル事業を継続的かつ安定的に進めるための議論をしていただいていることは、大変意義のあることだと考えております。
 引き続き、このワーキンググループで具体的な検討が進められるものと思いますが、私どもとしては、今後とも事業を安全最優先で、確実に進めていくためには、経営が、青森・六ヶ所の地において、地域の皆さまの声にしっかり耳を傾け、現場の実状を的確に把握し、安全性向上をはじめとする諸施策を、柔軟かつ迅速に行うこと、そして、自らがサイクル事業を担っている、困難は自分たちの力で乗り越えるんだ、といった社員の使命感が損なわれないことが極めて重要であると考えます。
 そして、何よりも30年前に原子燃料サイクル事業を大変な思いとご決断で受け入れていただくとともに、長きにわたり支えていただいた地域の皆さまの思いをしっかり汲み取り、こうした事柄を踏まえた議論をお願いしたいと考えております。

 本日、私からは以上であります。

以上