発表•お知らせ
2015年5月28日

定例社長記者懇談会挨拶概要

 本日は、「新規制基準への対応状況」、「新型ガラス溶融炉におけるモックアップ試験の実施状況」、「エネルギーミックス策定に関する当社としての受けとめ」の3点について説明させていただきます。

新規制基準への対応状況

 まず、「新規制基準への対応状況」についてですが、再処理施設につきましては、先月27日、約3ヶ月ぶりに審査会合が開催されましたが、それまでの間、当社としては、設計基準や重大事故に関する様々なご指摘などを踏まえ、現場調査などを含め、考え方の再整理を行ってまいりました。
 このうち、設計基準につきましては、先月27日の審査会合において、「防護対策として選定すべき設備の考え方」や「防護の方法」など、設計基準の基本的な考え方、さらには「内部火災・溢水・竜巻」など個別の対策について説明し、当社としては一定のご理解をいただけたのではないかと考えております。
 引き続き、現在は、重大事故対策の検討を進めておりますが、この対策は福島第一原子力発電所の事故を踏まえた新規制基準の中でも重要なポイントであり、若干時間を要しておりますが、詳細に詰めて、準備ができ次第説明してまいりたいと考えております。
 現在、原子力規制委員会には、竜巻や外部火災といった再処理とMOXで共通している項目について、合同で審査いただくなど、ご配慮いただいておりますが、当社としましても、引き続き、ヒアリングなどで論点を明確にした上で、効率的に説明できるよう、準備してまいります。
 一方、耐震関係につきましては、今月15日に火山の影響評価についての審査会合が開催されました。当日は、施設に影響を及ぼす可能性がある火山の抽出や個別の火山活動に関する評価について説明しましたが、さらにデータを補強した上で説明するようにご指摘がありましたので、今後説明してまいりたいと考えております。
 引き続き、全力で審査会合に臨んでまいります。

新型ガラス溶融炉におけるモックアップ試験の実施状況

次に、「新型ガラス溶融炉におけるモックアップ試験の実施状況」について申し上げます。お手許の資料をご覧ください。
 既にお知らせしておりますが、当社は、ガラス固化技術の一層の向上を図るため、新型ガラス溶融炉の開発を進めております。
 資料左上の2つ目の丸印から順に整理いたしましたが、2013年11月からは、第1段階の試験を実施し、模擬廃液に白金族元素などを加えて、現行炉と同様の運転条件で新型ガラス溶融炉の温度管理や流下性が優れていることを確認しました。
 また、2014年11月からは、第2段階の前半試験を実施した結果、40バッチの連続運転ができたこと、流下性が著しく向上したこと、炉底部に残留物が堆積する傾向は見られなかったことなどの成果が得られました。

 これに続いて、赤い点線で示しましたとおり、2015年2月から今月9日まで、第2段階の後半試験として、廃液の処理能力に関する試験を行いました。その結果、運転状況や流下性は良好で、使用前検査の条件である1時間あたり約70ℓの廃液供給量で、より安定的に運転ができることなどを確認し、試験を順調に終了することができました。詳細については、資料2ページの右側中ほどをご覧ください。
 また、同じ資料2ページ右下の写真のとおり、溶融炉には残留物がほとんど残らないことも確認しております。
 引き続き、データの分析などの詳細な評価を行い、新型ガラス溶融炉の実機への導入判断に向けた検討などを行ってまいります。

エネルギーミックス策定に関する当社としての受けとめ

 最後に、「エネルギーミックス策定に関する当社としての受けとめ」について申し上げます。
 昨年4月に閣議決定されました「エネルギー基本計画」の具体化に向けまして、先般、総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 長期エネルギー需給見通し小委員会において、2030年断面の電源構成などのエネルギー需給構造の見通し案が示され、今月26日からは報告書の取りまとめ作業が開始されました。
 ご案内のとおり、日本のエネルギー自給率は、2012年で約6%ときわめて低い水準です。
 こうしたエネルギーセキュリティや地球温暖化問題への対応はもとより、技術や人材を維持する観点からも、原子力発電は、引き続き安全確保を大前提とし、将来にわたって一定規模を確保することが必要であり、その原子力発電を進める上でも、ウラン資源の有効利用、廃棄物の減容・有害度の低減の観点から、原子燃料サイクルを着実に進めていくことが極めて重要であります。
 そうした中で、今回、原子力の一定の規模が明示されたことは、大変意義があるものと考えております。
 当社としては、引き続き安全を最優先に、原子燃料サイクルの確立に向け、全社をあげて取り組んでまいる所存です。

 本日、私からは以上であります。

以上