事業情報

再処理工場の月別トピックス

2015年9月発表分

【2015年9月17日公表 再処理施設 一般共同溝における埋込金物の浮き上がりに伴う調査の実施について】

 2015年8月26日、再処理施設一般共同溝※1内のパトロールにて、一般蒸気配管のサポートを固定している埋込金物※2がコンクリート壁面より浮き上がっていることを確認したため、当該埋込金物の設置状況を詳細に確認した結果、施工が適切に行われていない可能性があることを確認しました。

 当該の埋込金物については、速やかに識別表示を実施するとともに、当該埋込金物によって支持している一般蒸気配管について、念のため仮設サポートによる補強を実施済みです。

 本事象に伴い、一般共同溝内の安全上重要な配管等のサポートを固定している埋込金物について、目視による外観点検を実施した結果、浮き上がり等がないことを確認しております。
 現在、具体的な調査方法等を検討しており、今後、準備が整い次第、調査してまいります。

 なお、2003年に同様の事象が発生しており、水平展開として健全性の確認を行ったところですが、今回の事象を踏まえ、当時の調査との関係も含めて確認してまいります。

※1 一般共同溝:各建屋間を繋ぐ非放射性の配管等を収納する地下構築物(トンネル)。
※2 埋込金物:機器や配管支持構造物等を支持するために、コンクリート表面に固定されている板状の金物。概要図


【2015年10月8日公表 再処理施設 一般共同溝における埋込金物の浮き上がりに伴う調査の実施計画について】

 再処理施設に設置されている埋込金物に対する健全性確認については、施工時の据付記録等によって施工状態が適切であることを確認することが難しい埋込金物、適切に施工されていることが確認可能な埋込金物等に分類し、再処理施設全数の埋込金物の健全性を確認する計画としました。
 なお、一部については先行して現品点検や外観確認を行っており、また、今後の点検・調査状況を踏まえ、本計画は適宜、適切に見直しを図ってまいります。

添付資料:再処理施設の埋込金物の健全性確認について

1.埋込金物に対する現品の健全性確認の実施
 ○再処理施設に設置されている埋込金物のうち、施工時の据付記録等から施工状態が適切であることを確認することが難しい埋込金物
 <調査方法>
 ・超音波探傷試験により、現品の据付状態を確認し、その健全性を確認する。
 ・サポート等が設置されており物理的に測定できない等で現品点検ができない、または今後の検討により、他の方法で健全性確認ができると判断した埋込金物については代替手段により健全性を確認するか、健全性がないものとして評価し、適切な処置を行う。

2.2003年埋込金物健全性点検の検証
 ○再処理施設に設置されている埋込金物のうち、2003年の埋込金物健全性点検で、施工時の据付記録等から適切に施工されていることが確認可能と分類された埋込金物
 <調査方法>
 ・施工時の据付記録等を再確認し、記録が十分であるかを評価(記録の再確認)。再確認の結果、据付記録等から施工状態が適切であることを確認することが難しいと評価した埋込金物は、超音波探傷試験による現品点検を実施する。

 ○2003年の埋込金物健全性点検で、構造物を支持しない等で点検対象外とした埋込金物
 <調査方法>
 ・点検対象外とした考え方の妥当性を再確認する。

3.再処理施設に設置されている埋込金物の外観目視等による健全性確認
 ・現時点で直ちに再処理施設の安全性に影響を及ぼすものではないものの、改めて再処理施設の安全性が確保されていることを確認する観点で、再処理施設の埋込金物のうち観察可能な全ての埋込金物を対象に目視またはカメラによる遠隔確認により、浮き上がり等の異常がないことを外観目視等により確認する。

4.その他
 ・適切な施工が行われていなかった埋込金物の施工に係る原因調査等を行う。
 ・既に浮き上がりが確認されている埋込金物を含め現品点検の結果、健全性が確認できなかった埋込金物に対し、評価を行い、適切な処置を行う。


【2015年10月22日公表 再処理施設 一般共同溝における埋込金物の浮き上がりに伴う調査状況と今後の補修について】

 再処理施設に設置されている埋込金物については、調査の実施計画(10月8日お知らせ済み)にもとづき、引き続き、健全性確認を行っております。
 調査状況等について、以下のとおり、お知らせいたします。

1.再処理施設に設置されている埋込金物の外観目視等による健全性確認の実施状況
 これまで、全体の約65%に対して外観点検を行った結果、現時点で浮き上がり等の異常がないことを確認しております。引き続き、点検作業を進め、10月末に終了する予定です。

2.埋込金物に対する現品の健全性確認の実施状況
 超音波探傷検査および評価を順次実施しているところですが、これまで仕様を満たしていない埋込金物を53枚確認しました。これらは、浮き上がり等の異常はありませんが、万全を期すため仮設サポートによる補強を実施済みです。今後、順次補修を実施する等、適切な措置を講じてまいります。

3.2003年埋込金物健全性点検の検証の実施状況
 埋込金物の据付記録の確認方法や、点検対象外とした当時の考え方の妥当性について検証を進めています。

4.その他
 引き続き、埋込金物が適切に施工されなかった原因について調査を進めています。
 また、仕様を満たしていない埋込金物については、順次補修を行ってまいります。

【2015年11月19日公表 再処理施設 埋込金物の健全性に関する調査状況等について】

 再処理施設に設置されている埋込金物については、調査の実施計画(10月8日お知らせ済み)にもとづき、引き続き、健全性確認を行っております。
 調査状況等について、以下のとおり、お知らせいたします。

1.再処理施設に設置されている埋込金物の外観目視等による健全性確認の実施状況
 これまで、埋込金物全数のうち観察可能な埋込金物に対して外観点検を行った結果、8月26日に浮き上がりが確認された埋込金物以外には、浮き上がり等の異常がないことを確認しております。
 なお、セル内に設置されている、または高所等に設置されている等の理由から確認を行えなかった埋込金物については、治具等の活用により、観察可能な全ての埋込金物の確認を行ってまいります。

2.埋込金物に対する現品の健全性確認の実施状況
 超音波探傷検査(約12,500箇所)および評価(約6,310箇所)を順次実施しているところですが、これまで仕様を満たしていないと評価される埋込金物※1を146枚※2確認しました。これらは、浮き上がり等の異常はありませんが、万全を期すため仮設サポートによる補強を実施済みです。また、これら仕様を満たしていないと評価される埋込金物については、順次、新たに埋込金物を設置する等、適切な措置を講じています。
 なお、8月26日に浮き上がりが確認された埋込金物は、11月10日に新たに埋込金物を設置し、補修が完了しております。
※1: 超音波探傷検査の結果、部分的にスタッドジベルの長さが確認できなかったもの
※2: 146枚の内訳:安全上重要な施設に関連する配管等のサポートを固定しているもの55箇所、安全上重要な施設に関連する配管等以外を固定しているもの(一般蒸気系19箇所、一般蒸気系以外39箇所)、未使用33箇所

3.2003年埋込金物健全性点検の検証の実施状況
 埋込金物の据付記録の確認方法や、点検対象外とした当時の考え方の妥当性について検証を進めています。

4.その他
 引き続き、埋込金物が適切に施工されなかった原因について調査を進めています。
 今後、仕様を満たしていないと評価された埋込金物についても、順次補修を行ってまいります。


【2016年4月8日公表 再処理施設 埋込金物の健全性確認の実施状況】
 
 再処理施設に設置されている埋込金物については、調査の実施計画(2015年10月8日お知らせ済み)にもとづき健全性確認を行っております。
 これまでの調査の結果、再処理施設に設置されている埋込金物の現状確認や一般共同溝に設置されている埋込金物に対する現品点検等に一定の進捗があったことから、実施状況および今後の対応について、以下のとおりお知らせいたします。
 詳細は添付資料をご参照下さい。

添付資料:再処理施設 埋込金物の健全性確認の実施状況(概要)

1.再処理施設に設置されている埋込金物の現状確認
 再処理施設全体の埋込金物約48.3万枚のうち、約35.7万枚(全体の約74%)について目視等の手段により外観を確認し、浮き上がり等の異常は確認されませんでした。高線量の場所に設置してある等により、外観確認ができなかった約12.6万枚(全体の約26%)については、周辺状況や関連する機器からの漏洩の有無等を確認し異常のないことを確認しました。外観確認できなかったものについては引き続き確認方法を検討し、可能な限り目視等による外観確認を実施いたします。

2.一般共同溝に係る調査等
(1)一般共同溝に設置されている埋込金物に対する現品点検
 再処理施設の一般共同溝に設置された埋込金物のうち、「2003年に実施した埋込金物健全性点検」で記録不十分としたものについて超音波探傷試験(UT測定)を行い、10,599枚が健全であること、216枚が規格外※であることを確認しました。
 配管サポート等による物理的制約から、すべてのスタッドジベルをUT測定できない埋込金物(約7,800枚)については、UT測定できたスタッドジベルの健全性を確認しました(当該埋込金物のスタッドジベル総数の約85%)。さらに、測定できなかった箇所に対する代替手段の一つとして磁気による探傷装置による測定方法を開発中であり、現在、埋込金物への適用性について検討を進めているところです。

※規格外:スタッドジベルが短い、曲げすぎ等、仕様を満たしていないと評価されたもの

(2)一般共同溝の規格外の埋込金物に係る原因調査
 規格外の埋込金物が発生した原因について、関係者への聞き取りや埋込金物を取り出して確認を行うなどの調査を行いました。
 その結果、元請会社別に、埋込金物のつけ忘れ等が発生した際に埋込金物のスタッドジベルを切断して型枠に収めスタッドジベルを再溶接した、鉄筋干渉を避けるための曲げ加工時に曲げすぎや確認できない程度の傷が発生した、施工において段取り替えが多く、作業が輻輳し埋込金物を付け忘れしやすい特殊な箇所において規格外が発生した等と原因を推定しました。

(3)健全性が確認されなかった埋込金物に対する処置
 規格外となった埋込金物216枚のうち、未使用分56枚を除き、91枚について復旧に向けた措置(応急措置)を行いました。残りについては仮設サポート等の必要な補強を行っており、順次復旧に向けた措置を行ってまいります。

3.2003年埋込金物健全性点検の検証
 「2003年に実施した埋込金物健全性点検」で記録十分に分類された埋込金物等に対し、健全性の評価等が適切であったかを確認するため、記録が十分であることの評価や当時の抜き取り率の妥当性に関する検証を行いました。
 記録が十分であることの評価については、スタッドジベルの状態確認の裏付けが弱いものがありましたが、埋込金物の位置測定記録が残されていることを確認することで信頼性を確認できると考えられます。
 当時の抜き取り率について、記録十分なものについては、「計数規準型一回抜取検査(JIS Z9002)」を準用して設定されていること、記録十分な埋込金物が多かったことから当初計画より多い約4,200枚の抜き取りを行っていることから、適切な抜取検査が実施されたものと評価しました。
 記録不十分な埋込金物の抜き取り検査で規格外の埋込金物を発見できなかったことについては、規格外が均等に分布していなかったこと、複数の元請会社で施工した「洞道」を一つの母集団として設定したことが要因としてあげられました。

4.今後の対応
 今後、以下の活動を継続的に実施いたします。
・UT測定による現品点検は、記録不十分のものについて各建屋への展開を順次実施する。
・配管サポート等によりUT測定ができず現品点検できないスタッドジベルに対して、代替手段である磁気による探傷装置の埋込金物への適用性を確認したうえで、磁気による探傷装置での確認等により健全性を確認する。
・引き続き、記録十分の埋込金物の記録の再確認を行う。また、記録十分の信頼性を向上させるためのUT測定について、実施方法を検討する。
・2003年点検時に構造物を支持しない等で点検対象外とした埋込金物の考え方の妥当性を再度確認する。
・UT測定により、規格外と判断した埋込金物の復旧に向けた措置を実施する。

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