3月6日(水)、再処理工場 非常用電源建屋(管理区域外)において、2系列ある第2非常用ディーゼル発電機※1のうち、B号機について、定期的な動作確認の作業を実施していたところ、14時47分に潤滑油の供給系統の不具合により動作不能であると判断しました。
なお、もう一方のA号機については動作可能であることを15時55分に確認しております。
本事象による環境への影響はありません。
現在、調査を行っており、今後、原因の究明と必要な対策を講じてまいります。
※1 第2非常用ディーゼル発電機: | 外部電源喪失時に、再処理施設本体の電源を供給するための非常用発電機 |
構内配置図
(2013年3月7日お知らせ済み)
その後、本事象が発生した原因について調査を行ってまいりましたが、原因及び再発防止対策を取りまとめましたので、お知らせいたします。
なお、動作不能となった第2非常用ディーゼル発電機のB号機(以下、「当該発電機」という。)は、潤滑油の供給を停止する機構を持つシリンダ注油器※2のエレメント※3(以下、「当該エレメント」という。)を予備品と交換し、潤滑油の供給系統が正常に動作すること及び当該発電機が正常に運転できることを確認し、動作不能の状態が回復したと判断したことから、3月9日15時07分に待機状態に復旧しました。
※2 シリンダ注油器: | シリンダ内に潤滑油を注油する装置 |
※3 エレメント: | シリンダ注油器内の潤滑油注入ラインを構成している部品 |
【原 因】
当該発電機の定期点検状況や至近の運転状況等から、ディーゼル発電機本体に異常が発生していることは考えにくく、また、事象確認時の状況から当該エレメントに不具合が発生している可能性が高いと考え、原因調査を実施しました。
その結果、当該エレメントの吐出バルブの下部に気泡がたまり、その気泡により吐出バルブが押し上げられ、気泡の周囲の隙間から潤滑油が流れこむことで、吐出バルブでの閉止ができなくなったことが供給系統の不具合の原因であると推定しました。

【再発防止対策】
供給系統の不具合を確認した場合には、エアラン操作※4を行い、シリンダ内への潤滑油の供給状況を確認し、今回の事象のように吐出バルブの下部に気泡が溜まったことが原因であると考えられる場合には、以下の対応を行うこととし、運転管理マニュアルに当該事象の対応手順として新たに追加しました(2013年4月末実施済)。
| (1) | 手動で潤滑油の注油操作を行い、シリンダ注油器エレメント内の気泡を除去する。 |
| (2) | (1)により気泡の除去が確認されなかった(供給系統の不具合に改善が見られなかった)場合には、エレメントのニップル押さえを緩め、エレメントからのエア抜き操作※5を行う。 |
※4 エアラン操作: | 圧縮空気により、シリンダなどの機関内の残留物(油、水等)を排出する作業 |
※5 エア抜き操作: | ライン上にある気泡を除去すること |
以 上
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