日本原燃
【B情報】(2011年3月11日掲載、6月17日原因及び再発防止対策掲載)

精製建屋

  精製建屋における加熱蒸気温度高によるインターロック作動について

 3月11日(金)、精製建屋(管理区域内)において、廃液の処理運転に伴い第2酸回収系※1の起動操作を行っていたところ、精留塔※2の液位が低下したため、蒸発缶※3及び精留塔へ加熱蒸気を供給する系統の弁が閉止しました。このため、加熱設備からの加熱蒸気が滞ったことにより、加熱蒸気の温度が高くなったため、0時51分にインターロックが作動し、加熱設備※4が停止しました。
 現在、加熱設備は停止しており、安全上問題はありません。
 また、原因については調査中です。
 なお、本事象による周辺環境への影響はなく、作業員の被ばくもありません。


※1 第2酸回収系 塔槽類廃ガス処理設備等から発生する廃液を定期的に処理するための設備
※2 精留塔 蒸発缶で発生した硝酸蒸気を加熱蒸気により加熱し、硝酸と水に分離して硝酸を回収する設備
※3 蒸発缶 再処理工場で発生する廃液から硝酸を回収する目的で、廃液を加熱蒸気により加熱し、蒸発させる設備
※4 加熱設備 蒸発缶、精留塔で使用する加熱蒸気を製造・供給する設備

  概要図
   
  その後の調査の結果、精留塔の液位が低下した(液位低設定値となった)原因及び再発防止対策は以下の通りです。

○原因
 運転員は、運転手順書に従い蒸発缶の加熱に伴う精留塔への硝酸蒸気の供給により、精留塔の液位が増加するため、精留塔で分離した水を戻す量(還流量)を低減させ、液位を一定にする操作を行っていましたが、操作の開始時期が運転手順書には明記されていませんでした。また、蒸発缶からの硝酸蒸気の供給が少ない状態にも関わらず、精留塔の還流量を低減し過ぎたことから回復措置を行いましたが、精留塔の液位低下が継続し、液位低注意報の発報により、加熱蒸気温度高インターロックの作動に至りました。

○再発防止対策
 還流量を低減させる操作の開始時期を運転手順書に明記しました。また、改正した運転手順書および本事象について、精製建屋の運転員に対して周知、教育を実施しました。

図


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