日本原燃
【B情報】(2007年3月12日掲載、3月20日原因・対策掲載)

  ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋における脱硝皿への溶液の誤供給について

 3月11日(日)11時13分頃、ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋において、脱硝体が入った脱硝皿に、ウラン・プルトニウム混合溶液を誤って供給したことを確認しました。
 原因は、発生当時の運転モードにおいては、本来、混合溶液を供給する脱硝皿が空であることを確認してから、ウラン・プルトニウム混合溶液を供給するべきところ、この確認を十分行わなかったためと推定されます。
 今後は、誤供給が起きないよう、手順の見直しや設備の改善等を行うことを考えています。

 なお、本事象による安全上の問題はなく、主排気筒モニタおよびモニタリングポストの指示値の変動、環境への影響もありませんでした。また、作業員への影響もありませんでした。


○原因と再発防止対策
その後の調査の結果、原因及び再発防止対策については、以下のとおりです。

【原因】
 今回は、「全自動」で実施していた脱硝運転が途中で停止したため、「半自動」に切り替えて運転を終了させました。その後、「全自動」へ復帰させるために、「半自動」で脱硝皿を「撤去」→「搬送」→「設置」と順次操作する必要がありましたが、「撤去」の後、「搬送」ではなく「設置」操作を行い、その後「全自動」運転を再開したため、ウラン・プルトニウム混合溶液が誤供給されました。これは、脱硝皿の「撤去」操作の後、「搬送」及び「設置」の両方の操作が選択可能な制御プログラムとなっていたことによるものでした。
 また、運転手順書では「撤去」→「搬送」→「設置」の一連の操作が終了した時点でチェックする様式としていたため、チェックが後回しになり、「搬送」が抜けていたことに気が付きませんでした。 さらに、操作員は脱硝皿の状態をテレビカメラにより目視で確認しましたが、テレビカメラの照明が不足のため脱硝皿が空であると誤認しました。
 なお、今回の状況は、混合溶液の供給前に保安規定を遵守する意図を持って、目視で脱硝皿を確認しましたが、結果として定量ポット2容量分をひとつの皿に供給したため、保安規定に定めた操作とならなかったものです。

【再発防止対策】
 本事象の根本的な対策として、「半自動」運転において、操作員が脱硝皿を「撤去」後、「搬送」操作を行わないと「設置」の操作ができないように制御ロジックを改良しました。
 上記の対策に加え、運転手順書に「半自動」で運転を実施する際の操作順序(チェックのタイミング)を明確にします。さらに、各操作の開始及び終了を当直長に報告し承認を得るよう明記しました。あわせて、脱硝皿の状態を明瞭に確認できるようテレビカメラ用の照明を交換しました。
 また、今後、「全自動」運転を停止させるなど、保安に係るトラブルの起因となる事象につきましては、確実に拾い上げて、必要に応じ対策を実施します。

 脱硝皿が空であると誤認し、保安規定に定めた操作とならなかったことについては、国に本事象の原因と再発防止対策について報告した際、口頭で注意を受けたところであり、当社といたしましては、社内及び協力会社に周知するとともに、今後再発防止を徹底し、慎重にアクティブ試験を進めてまいります。

  【概要添付】

概要図参照(PDF)

図


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