日本原燃

洞道内の漏えいを検知する検知ポットにおける
微量の放射性物質等の検出に関する調査結果について
(調査結果報告)

 分離建屋と精製建屋の間の配管等を収めた洞道(アクティブトレンチ)内の漏えいを検知する検知ポットにおける、微量の放射性物質等の検出(4月24日公表)は、洞道内の配管からの漏えいによるものではないと判断しました。検知ポットで検出された微量の放射性物質等は、当該検知ポットに接続されている低レベル廃液貯槽等から混入したものと考えました(5月2日公表)が、このたび継続して行っていた原因究明のための調査結果がまとまりましたのでお知らせいたします。

【調査結果】
工程からの混入の可能性の調査
  運転状況再現性試験や漏えい検知ポット内の液体の分析結果などから、低レベル廃液貯槽等から漏えい検知ポットに接続されている複数の配管を介して、微量の放射性物質等が漏えい検知ポットに移行しうることが分かりました。

分析段階での混入の可能性の調査
  漏えい検知ポット内の液体の分析を行う分析ボックスでは、今回検出したTBP※1のほかに、DBP※2分析も行っていました。このDBP分析を実施した後で、漏えい検知ポット内の液体の分析を行った場合に、TBPが検出される傾向があり、これらの分析に使用するビーカの洗浄後においても、TBPがビーカに残留したことから、次の分析時にTBPが検出された可能性があることが分かりました。

【今後の対応について】
 漏えい検知ポットによる漏えい検知の機能を確保する観点から、以下の対応をとります。

漏えいの有無の判断をより確実に行うために、想定される漏えい箇所の上流側と下流側の貯槽の液位を確認し送液量に変化がないか、漏えい検知ポット内の放射能等の濃度が上昇傾向にあるか否かなどについて評価し、その結果に基づいて「漏えい」と判断するよう手順書等を見直しました。

分析段階における、微量のTBPの混入を避けるために、洗浄後のビーカを使用する際は、ブランク試験※3によりTBPの残留がないことを確認します。また、水相と有機相のように性状の異なる分析試料を同じビーカで使用しないよう、ビーカの識別管理を行います。なお、これらのことを手順書に記載し、徹底を図ることにしました。

※1(TBP) りん酸三ブチルのこと。再処理の中心プロセスである硝酸溶液中のウランやプルトニウムを溶媒抽出するための抽出剤の一種。
※2(DBP) りん酸二ブチルのこと。りん酸三ブチルが硝酸の存在や放射線の照射により分解したもので、抽出効率や抽出器の運転に影響を及ぼす。
※3(ブランク試験) 純水を模擬分析試料とみたて、ビーカ等の器具を用いて分析を行い、ビーカ等の器具と分析装置にTBPの残留がない事を確認する試験。

 


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