日本原燃
2006年6月16日
「精製建屋における試薬の漏えい」(5月18日公表)および
「分析建屋における微量の放射性物質の体内への取込み」(5月25日公表)
の公表内容について

 5月に公表しました「精製建屋における試薬の漏えい」および「分析建屋における微量の放射性物質の体内への取込み」について、6月6日に原子力資料情報室より、これらの公表内容が事実と異なると指摘した匿名のメール内容も含めた詳細情報の公開要請がありましたが、今回改めて確認した結果、以下のとおりでした。

<<原子力資料情報室宛のメールの内容(要旨)と事実関係>>

1.「精製建屋における試薬の漏えい」

[匿名メール内容]
漏えい量は7リットルと公表されているが、実際は10倍で堰はあふれんばかりの状態。これを公表するとA情報となるため除染したのちの値を公表した。
<事実関係>
・漏えい量は、漏えい確認時の滴下量から算出した結果、約7リットルでした。
・堰は約12m×約7m×約0.2m(容量は、およそ16,800リットル)であり、あふれんばかりの状況では全くありませんでした。
・「1リットル以上100リットル未満の放射性液体の漏えいを発見した時」にあたる事象としてB情報としました。

[匿名メール内容]
(昨年7月にT継手において液滴が発見された際の類似事象の確認において)処置済みとされていたT継手は、ビニールで養生しただけのお粗末な状態で、今回の漏えいはこのビニール養生された中にたまっていた溶液の量が約7リットルであった。メーカでは漏れることを予想していたが、日本原燃側は処置をさせなかった。
<事実関係>
・昨年実施した類似事象の確認では、外観確認や浸透探傷検査を行って異常のないことを確認しました。
・万一の漏えいに備え、硝酸溶液を扱う系統のT継手には、飛散防止の目的でビニールのカバーを取り付けていました。
・このカバーは内部に液体がたまる構造ではなく、今回の漏えいはカバーの隙間より、配管の表面をつたって滴下したものです。
・メーカからの報告書(当時の報告書作成者および責任者への再確認を含む)において、メーカが漏れることを予想していたこと、当社が処置をさせなかったということがらを示すものはありませんでした。

[匿名メール内容]
作業員が異臭を確認して発見したとのことだが、負圧が担保されているならば別の部屋で異臭を感じるわけはなく、別の部屋で異臭を感じたのであれば換排気設備が正常に機能していないということである。
<事実関係>
・漏えいがあった部屋と異臭を感じた部屋は同一の管理区域であることから、両部屋の負圧に差はありません。
・両部屋は扉および開口部を介して隣り合っており、換気設備が正常に機能している状態でも隣りの部屋の異臭を感じることは十分ありえます。


2.「分析建屋における微量の放射性物質の体内への取込み」

[匿名メール内容]
アクティブ試験開始以降、作業員の作業服に汚染が今回の事象の前に数回確認されているが、報告はおろか、原因も特定出来ていない。
<事実関係>
・アクティブ試験開始以降、管理区域用被服の汚染が今回の事象の前に2回確認されています。
・いずれの事象においても管理区域用被服のみの軽度な汚染であること、作業場所の空気中放射性物質濃度、表面汚染密度の測定結果から作業環境にも問題がないことを確認しており、さらに、汚染部位が左肘、左わき腹であり呼吸域から遠いことなどから、内部被ばくは無かったものと判断しています。
・これらは、「法令報告」および「トラブル等対応要領に基づく連絡・公表」の対象外でした。

[匿名メール内容]
一部の作業員から、マスクの着用を日本原燃に対して促していたようだが、マニュアルに記載されていないということで、着用は見送られていた。
<事実関係>
・社員および協力会社作業員から作業における要望事項について書面で提案を受けるシステムを有しており、この記録を確認したところ、フード作業における半面マスク着用に係る要望はこれまでにありませんでした。

[匿名メール内容]
放射線管理の部長は日本原子力研究開発機構からの出向者がなっているが、先行施設の安全対策を反映していない。
<事実関係>
・放射線管理部長は東海再処理工場の勤務経験を有する当社社員(プロパー)です。
・六ヶ所再処理工場の放射線管理体制を構築するにあたっては、先行施設の管理経験に基づいて放射線防護を行うとともに、従来から多くの社員が先行施設で教育・訓練を受けており、先行施設の安全対策を反映しています。

[匿名メール内容]
体内摂取した作業員は、作業当日休憩を取得する事無く業務に従事していた。
<事実関係>
・当該作業員が適切に休憩をとっていたことを確認しました。

[匿名メール内容]
日本原燃は5班3交替であるが、この協力会社社員は4班3交代で、激務を強いられており、その結果によるトラブルであることを公表せず、ヒューマンエラーを強調した。
<事実関係>
・日本原燃は5班3交替(このうち1班は、日勤直として巡視、手順書作成等に従事)、協力会社は4班3交替の体制です。
・勤務時間については協力会社においても1日あたり7時間40分であり、5班3交替勤務者と変わりありません。また、休日についても8日間の間に2日休日を取得しており、激務を強いていたという事実はありません。
・今回のトラブルにおいては、作業手順、設備、教育の点から改善を図ることとしています。
以 上

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