日本原燃
【B情報】 (2006年4月12日掲載、4月20日原因・対策掲載)

前処理建屋


溶解槽セル内における洗浄水の漏えいについて

 4月11日3時40分ごろ、前処理建屋 溶解槽セル内*1において、ハル洗浄槽*2内のハルを洗浄した水を次の工程に移送するために、フレキシブルホースをマニピュレータ*3を用いて、遠隔操作で取り付ける作業を当社社員が行っていました。その際に当該ホース接続部の閉止プラグを取り外すべきところを、誤って閉止プラグと配管を接続している接続用部品を取り外したため、洗浄水(約40リットル)がセル内の受け皿に漏えいしましたが、接続用部品を元に戻し、漏えいを停止しました。
 当該部分はハル洗浄槽の水位より低い位置にあったため、当該槽内の洗浄水が溢れ出たものです。
 なお、受け皿に漏えいした洗浄水は、予め定められた手順により回収しました。今後、回収した洗浄水は溶解施設にて再利用する予定です。
 洗浄水には放射性物質*4が含まれておりましたが、本事象による主排気筒モニタおよびモニタリングポストの指示値に変動はなく、環境への影響はありませんでした。また、作業員への影響もありませんでした。

概要図参照(PDF)

*1セ    ル 放射性物質の閉じ込め、放射線防護を行うため厚い鉄筋コンクリートで囲まれた部屋で、容器または配管などから液体が漏えいした場合に備え、セルの底面にはステンレス製の受け皿が設置されている。
*2ハル洗浄槽 溶解槽から落下してきたハル(溶解槽で硝酸に溶解されずに残った燃料被覆管)を水により洗浄するための槽
*3マニピュレータ セル内の機器等をセル外から遠隔操作にて保守等を行うマジックハンドのような機械
*4放射性物質 全アルファ:約4.1×10ベクレル/ミリリットル
全ガンマ:約3.1×10ベクレル/ミリリットル
ウラン:約6.5グラム/リットル
プルトニウム:約0.025グラム/リットル

○原因と再発防止対策

【原因】
閉止プラグと接続用部品とが近接して設置されていること、および両部品の境界が視覚上明確でなかったため、操作員が誤って接続用部品を取り外した。

【再発防止対策】
遮へい窓から明確に識別できるよう閉止プラグを着色し、遮へい窓近傍に注意喚起の注意札を掲示した。
閉止プラグと接続用部品の位置が明確になるよう運転手順書を改正し、作業前の運転手順書確認を再度運転員へ周知徹底した。

図


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