再処理施設試験運転の項目及び内容

再処理施設試験運転の項目及び内容

○ウラン試験後において継続して行う作業項目及び内容

項目	内容
試料分析及び分析機器較正	試験運転に係る作業により発生する試料の分析を行う。また、分析用標準核燃料物質（ウラン同位体標準、ウラン純度標準、トリウム純度標準、プルトニウム同位体標準、プルトニウム純度標準等）を使用し、分析機器の較正等を行う。
使用済み硝酸処理	試験運転に係る作業により発生する使用済み硝酸の処理を行う。
使用済み有機溶媒処理	試験運転に係る作業により発生する使用済み有機溶媒の処理を行う。
廃棄物処理	試験運転に係る作業により発生する廃棄物の処理を行う。

○ウラン試験の項目及び内容

○前処理建屋
試験項目	試験内容
計装ループ及び移送機器試験	密度計等の計器類の調整及びポンプ等の移送機器の機能を確認する。
せん断、溶解試験	模擬ウラン燃料集合体を用いて、せん断機及び溶解槽の機能を確認する。
連続運転試験	模擬ウラン燃料集合体を用いて、せん断処理施設及び溶解施設の連続運転を実施し、処理能力を確認する。

○分離建屋
試験項目	試験内容
計装ループ及び移送機器試験	密度計等の計器類の調整及びポンプ等の移送機器の機能を確認する。
ミキサセトラ試験	ウラン溶液を用いて、ミキサセトラの機能（ウランの挙動、界面位置の確認等）を確認する。
パルスカラム試験	ウラン溶液を用いて、パルスカラムの機能（ウランの挙動、界面位置の確認等）を確認する。
ウラン濃縮缶試験	ウラン溶液を用いて、濃縮缶の運転性（濃縮性能及び密度・液位の制御等）を確認する。
系統包括試験	ウラン溶液を用いて、分離設備、分配設備の処理性能を確認する。

○精製建屋
試験項目	試験内容
計装ループ及び移送機器試験	密度計等の計器類の調整及びポンプ等の移送機器の機能を確認する。
ミキサセトラ試験	ウラン溶液を用いて、ミキサセトラの機能（ウランの挙動、界面位置の確認等）を確認する。
ウラン濃縮缶試験	ウラン溶液を用いて、濃縮缶の運転性（濃縮性能及び密度・液位の制御等）を確認する。
プルトニウム濃縮缶試験	ウラン溶液を用いて、濃縮缶の運転性（濃縮性能及び密度、液位の制御等）を確認する。
ウラナス製造試験	硝酸ウラニル及び水素を用いて、ウラナス製造機の機能（ウラナスの収率、濃度等）を確認する。
系統包括試験	ウラン溶液を用いて、ウラン精製設備の処理性能を確認する。

○分析建屋
試験項目	試験内容
分析再現性試験	分析精度を確認するため、同一試料に対して分析を複数回実施する。

○ウラン脱硝建屋
試験項目	試験内容
気流輸送試験	ウラン粉末を空気で輸送する。
溶解試験	溶解槽でウラン粉末の溶解を行う。
濃縮試験	ウラン溶液を用いて、濃縮缶の処理能力等を確認する。
脱硝塔性能確認試験	ウラン粉末及びウラン溶液を用いて、脱硝塔の運転条件を確認する。
充填試験	ウラン酸化物貯蔵容器にウラン粉末を充填する｡
定格処理試験	全系統を運転し､定格処理能力で連続して運転できることを確認する。

○ウラン酸化物貯蔵建屋
試験項目	試験内容
搬送試験	充填済みウラン酸化物貯蔵容器の受け入れ貯蔵までの運転状態を確認する。

○ウラン・プルトニウム混合脱硝建屋
試験項目	試験内容
混合調整確認試験	混合槽において濃度の異なるウラン溶液の混合状態を確認する。
脱硝処理性能確認試験	ウラン溶液を用いて脱硝装置の機能（制御機能、脱硝時間及び脱硝状態）を確認する。
焙焼炉・還元炉性能確認試験	焙焼炉・還元炉にて処理された粉末の状態を確認する。
粉砕機性能確認試験	粉砕機にて処理された粉末の状態を確認する。
混合機性能確認試験	粉末混合機の状態（混合が支障無く実施出来ていること等）を確認する。
粉末充填機性能確認試験	粉末充填機からの粉末排出状態及び粉末缶への充填状態を確認する。
定格処理試験	全系統を運転し､定格処理能力で連続して運転できることを確認する。

○ウラン・プルトニウム混合酸化物貯蔵建屋
試験項目	試験内容
搬送試験	充填済み粉末缶の入った混合酸化物貯蔵容器の受け入れ貯蔵までの運転状態を確認する。

○共通
試験項目	試験内容
建屋統合試験	建屋全体を対象として、最小、定格、最大処理量で運転し、運転パラメータ等を確認する。
外乱試験	施設緊急停止操作による施設の停止時の確認、復旧操作の確認等を実施する。

○総合確認試験
試験項目	試験内容
塔槽類廃ガス処理設備の負圧調整	塔槽類廃ガス処理設備の負圧を確認する。
換気設備の負圧調整及び主排気筒排風量の確認	建屋全体の負圧バランス、主排気筒の排風量等を確認する。
安全圧縮空気喪失試験	安全圧縮空気系からの供給停止時における他の運転中の系統への影響を確認する。
外部電源喪失試験	商用電源からの給電停止時に非常用無停電電源装置及び非常用ディーゼル発電機から安全上重要な設備に給電されること等を確認する。
海洋放出流量の確認	低レベル廃液処理建屋から所定の流量で海洋放出できることを確認する。

＊総合確認試験とあわせて、前処理建屋において模擬ウラン燃料集合体４体を用いて、せん断機の作動の最終確認を行う。
※「ウラン試験の概要と試験時に発生が予想されるトラブルなどへの対応（事例集）」については、こちらをご覧下さい。